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物語の始まり

ナザ-ド大陸の魔王が討伐されてからカルウ王国が

大陸を支配していたのはほんの半世紀ほどだった。

クロツ大陸での出来事以来、ナザ-ド大陸にも

再び魔物の存在が確認されるようになっており

この事が原因で、王国から各領主への支配力が薄れ

各地で反乱や暴動が発生する。

この事態に国王は鎮圧の為に兵を送ろうとするが、魔物に阻まれてしまう。

こうして、大陸に新たな勢力が生まれる。

最も大きな勢力だったのは、長年カルウ王国の重臣であったパリット公爵の孫

ニドラ=パリットが、自らの領土を公国と称したパリット公国。

それに続いて第二勢力は、魔王に滅ぼされた五王国の民がカルウ王国の

支配に反発して出来た、南ナザ-ド連邦

そして、第三の勢力としてカルウ王国が存在し

最後にアナストロ大司教領となっていた。

ただ、彼らだけはこの大陸において一番歴史が浅く

彼らは元々、ト-レス大陸で布教活動を行っていた。

そんな時、ナザ-ドの神官長総代であるベノア魔王討伐の為勇者を探しに

トーレスを訪問した。

この時、他の大陸の人々に自分の信じる神の教えを布教する為に

数人の信者がナザードへと同行する。

そして、彼らの教えに共感した者達が集って出来たのがアストロ大司教領だった。

カルウ王国は分断された大陸を再び統一する為兵を集める。

それに対してパリット公国と南ナザ-ド連邦も自分達の手で

大陸を統一しようと戦いの準備が進められていた。

この状況に争いを好まない人々が大司教領へと移り住んでゆく。

そして、大陸全土を巻き込んでの戦いは避けられない。

と皆が思っていた時、それは起こった。

大陸全土が干ばつに襲われたのである。

この不測の事態に各国はもはや戦争どころではなく

自国が生き残るための手段を模索する。

この時カルウ王国の国王は、食料の消費を抑える為

他の六大陸に対してカルウ王が認定する勇者、という名目で兵士達を

他の大陸に送り出し、口減らしを行う。

これによって大幅に食料消費の削減を行った。

これを見た他の国がそれに倣う。

ただ、大司教領だけはト-レスの同一教団より食糧支援を受けて

この飢饉を乗り切っている。

その場しのぎの采配によって危機を脱したように見える三つの国は

次に、農耕などを行う人手不足に悩まされる。

愚王、と罵られながらカルウ国王は他の六大陸の貴族や商人などの富裕層を

ナザ-ドに招待し、ナザ-ドの魔王の居城や戦の跡地などを観光させ

暇を持て余し、刺激に飢えている彼らの外貨を獲得しようと画策する。

数々の逸話を創作し、伝説の武器のレプリカを作り

王国認定の勇者資格などを作って招待客に配るなど

のおかげで、他の大陸から食料を買う余裕ができるようになった。

これも、ただのその場しのぎだろう。

という他の国の冷ややかな視線はあったが

他の対策を思いつくことが出来ない彼らは

結局、カルウ王国の二番煎じを行うのだった。

こうして、ナザ-ド大陸に新たな魔王の伝説が複数誕生し

やがてそれは真実として語られるようになる。

そんな淀んだ時代が長く続き、ナザ-ドの魔王が討伐されてから

ちょうど二百年目のその日、ドステン平原上空に紅い魔法陣が現れる。

伝説の後の物語は、ここから始まる。




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