クロツ大陸9
時は来た、先の戦いで大敗したドステン平原で
再び解放者と先住民の戦いが行われる。
前回の戦いから、半年が過ぎていた。
解放軍軍が魔法使いを核とした十人ほどの集団で
先住民に迫る。
解放軍の思惑では、魔獣召喚から防御魔法や攻撃魔法の
効力を確かめる作戦だった。
ところが、魔獣は召喚されることなく
先住民の兵士が迫って来る。
魔法使いの護衛である兵士たちが敵に切りつけたが
剣は弾かれ、鎧が裂かれる。
姿形は人間だが、明らかに人間を超えた能力で
解放軍を倒していく。
敵味方が入り乱れ、魔法使いも攻撃魔法を繰り出すことが出来ない。
そのせいで被害が大きくなっていった。
この状況を見て解放軍は撤退をするのだった。
しかし、魔獣に対抗するために集められた魔法使いの四割が
この戦いで倒されており。
このままでは、魔獣が現れたとしても
攻撃に耐え、本来予定していた成果を上げることは
不可能だと思われた。
平原では先住民族が待機していたが
自分達から攻撃しよう。
という気配はなく、膠着状態に陥っていた。
ここでターヅが主だったものを招集する。
ババロ、ノッポ、オジ、ススカ、ヤーガモ、コム
の六人だった。
今回の戦いに際し、資金面で元貴族のススカを頼り
飛龍部隊の編成において、ヤ-ガモを抜擢し
ナザ-ド大陸の勇者であるコムを食客として
招いている。
ナザ-ド魔王討伐から三年の月日が経っていた。
「敵は新たな力を手に入れたようです」
オジが状況の報告を行う。
敵の未知なる戦力は、兵士の攻撃では倒すことが出来ない
ということだけが、わかっている。
「あれだけの乱戦では、魔法で攻撃は不可能だったかもです」
「飛龍の攻撃も不可能だった為、あえて出撃はしませんでした」
ノッポに続いてヤーガモも発言する。
「とはいえ、このまま予定通りいくんだろう?」
スポンサ-であるススカにとって
戦闘に負けたことが重要ではなく
自分の投資した成果が表れる事が重要だった
ここで彼が確認しておかなければならないことは
いかなる犠牲を払っても、目的を達成する。
ということであり、そうすることによって
自分の正しさが証明される。
彼にとっては成功する結果が必要であり
その過程には何の興味もない。
そんな彼の気持ちを逆なでするように
ノッポが言った。
「このままでは、予定通りいかないかもです」
そんな話はススカがいなくなってからすれば良いだろう。
という思いを込めてオジはノッポを見た。
だが、ノッポの思いは空しく宙を漂う。
そしてノッポが
「これ以上の戦果を見込めない可能性もあるかもで・・・」
最後まで言い終わる前に
「少し予定と変わりますが、ススカ様に満足頂ける結果を
出せると思います。
但し、予定が変わるために少し時間が必要になります。
その点は、ご迷惑と思われますが
しばしの猶予を頂きたい。」
ババロの発言にススカも
「なるべく早く結果を出すように」
と言い残して自分だけ陣を出ていったしまった。
タ-ヅは後に残された者たちを見まわして
「皆、それぞれ何か良い案があるようだが
とりあえず、お茶にしようか」
といって、お茶の用意をさせるのだった。




