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クロツ大陸 7

魔王、討伐。

先住民との戦闘で魔獣が現れた少し前。

ナザ-ド大陸からの移住者によって、明らかになった。

但し、ナザ-ドではカルウ王国の勢力によって

旧五王国の領土が侵略され、それに反発する者達や

魔王の名を借りて略奪を繰り返していた者達によって

混乱を極めている、という話も続いて伝わってくる。

しかし、住み慣れた土地への思いから

再び海を渡ってナザ-ドへ帰るもの達も少なくなかった。

新天地での希望あふれる未来。

先住民を倒して自分達の新たな国を作ろう。

そんな思いでこの地にやって来たのだが

噂によれば、先住民に強大な魔獣が力を貸しているという。

このままここで解放軍の成果を待つべきか

それとも、魔王がいなくなった祖国に帰るべきか。

移住者にとって、決断の時が迫っていた。

港町モッチャでも、自分の意志で決められない人々が

日々、他人の様子を伺っている。

そんな状況で、五番目に滅びたべヘナ国の貴族、ノチュロ家

の使用人であったダロアは、主人であるノチュロのナザ-ド帰郷に

異を唱えていた。

失われた故郷に戻っても、自分たちに身分の保証をしてくれる国は

すでに失われてしまった。

かといって、このまま解放軍と共に行動したとしても

大多数の中の一部でしか無く、大きな成功は見込めない。

それなら、この大陸で独自に行動をした方が良い。

ただし、気候の良い南には先に移住してきた者たちがいる。

今更そこに向かっても、得る物は少ないだろう。

そうなれば、残された選択肢は北しかない。

ここの大陸で他の者たちが諦めたといえば

不毛の北の大地の開拓だ。

誰かが成功する前に、北の大地へと向かい開拓するのが良い。

たまたま、休憩時間に他の使用人と話していた所を

ノチュロに聞かれていたようだ。

移住してから、これと言って収入もなく

財産が目減りしているだけのノチュロにとって

魔王のいなくなった故郷に帰ることで、以前と同じ生活ができる

そんな希望と妄想を膨らませた決断に、陰口を叩く使用人

ダロアの存在を疎ましく思ったのだろう。

主人を思う進言が、常に主の心に響くとは限らない。

こうして、ダロアは主人に暇をもらうことになった。

ただ、わずかではあるが、退職金を貰えたことは

ノチュロを評価する。

と、後にダロアがペンに語っていた。

この二人が知り合ったのは、ダロアが収入を失って2週間もたった頃

宿泊していた屋で食事をしていると、そろそろ顔なじみも増え

居心地に反比例して、手持ちの金が減っていき

そろそろ何か考えなくては、と思っていた時だった。

宿の娘モナカがダロアに話しかけてくる。

「知ってる?

勇者を首になった人がこの宿にいるんだって」

悪気はなく、笑顔のモナカの視線の先にペンがいた。

その姿は、勇者としての外見で判断するなら

らしくない、そんな風貌だった。

「彼と少し話したいけど迷惑かな?」

そんなダロアの言葉に

待ってました、と言わんばかりにウインクをして見せ

モナカがペンに近づいていく。

そして

「使用人を首になったあちらのお客様が

あなたとお話ししたいそうです」

と耳打ちをする。

それを聞き、グラスを持ったペンが

ダロアのテーブルに近づく。

互いに向かい合って座った二人の傍によって来るモナカが

「ご注文は?」

と愛想よく聞いた。

二人は飲みかけの酒を飲み干し、乾杯するために

新しい酒を注文する。

すぐに届いた酒で乾杯した二人は

お互いに自分たちが必要とされなくなったいきさつを

自虐交じりに語りながら、酒を酌み交わす。

ただ後半は、自分達の今後、どうすべきか

といった話に替わり、現状の情報の少なさから

互いに情報を集め、共有するということになった。

ただ、ペンは既にベルクと共に行動する

と決めていた為に、次回の約束はせずに別れるのだった。

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