クロツ大陸 4
ナザード大陸の標的になった3番目の国ドステデン
この国で領主えをしていたカ-クは、魔王軍のゲア制圧を聞き
早々に逃げる準備を行っていた。
元々、領地や財宝にそれほど興味を持っておらず
国王や側近に取り入る、ということをせず
天災などで税収を見込めない時は、領主の貯えから補填するなどしていた。
このおかげで、脅威となる政敵もいなかったが
政治的な後ろ盾もいなかった。
但し、領土を捨ててほかの大陸に渡ろうとしていた時は
流石に国内に敵を作っていた。
戦いもせず、逃げることを考えるとは背信行為に当たる
として、名だたる貴族達の標的になっていた。
そして遂に審問会が行われ、格好の獲物として
吊るしあげられようとしていた。
「領主としての責務を果たさず、国を捨てるとはどういうことか?」
審問官の取り調べにカ-クは
「領主としての未熟さを知り、単身、海を渡ろうと思っております。
つきましては領地をハズル様に治めていただければ
後の不安なく精進できると思っております。」
ここで、ドステデンで2番目の権力者であるハズルの名を口にする。
常に二番手のハズルのコンプレックスを利用して
事前に領土の進呈を打診しており
審問会には特別に口添えをする事になっていた。
こうして審問会に臨んだ結果は、領主としての地位を剝奪し
市民として国外退去を認める。
というものだった。
彼は審問会に際し、事前に蔵を開放し
領民に分け与えていた。
この先、ハズルの領民となる不幸な彼らへの
餞別のつもりだった。
だが、この餞別が領民の七割を国外へ退去させる原因となる。
退去した領民の八割がハズルの圧政への不安を感じ
残りの二割が魔王軍への不安を感じたためだった。
領地に残った三割は、出ていった他人の土地にを我が物とし
富を築こうとする者達だった。
結果として、無一文になってしまったカーク
幸いにも、元領民が船の手配をしてくれた為に
なんとか国外に出ることが出来た。
そうしてたどり着いたのがクロツ大陸だった。
彼が港に着いたときは主にゲア国の民が多く
他の国の民は少数だった。
しかし、年数がたつにつれ、ゲア国の次に魔王軍に攻められた
モナカ国、三番目に攻められた祖国ドステデンの民が
次々に移住し、それぞれが自分たちの権利を主張しだし
諍いが絶えなくなっていた。
更に「先住民」達の土地を自分達の物にする為に
「解放軍」を結成し、侵攻を開始するなど。
そんな彼らに嫌気がさしたカ-クは
自分と考えを同じくする人々と共に
争いを避け、大陸を南下していった。




