勇者の誤算
共に戦う、という概念の無いカウンタフィットの存在は
強大な力を持っていたとしても、恐れる必要はない。
勇者たちの攻撃により、次々に討ち果たされていく彼らを見て
仲間という存在の大切さを、改めて思い知る。
しかし、単体での攻撃しか行わないといっても
その力は大きく、油断すればその凶刃の餌食になってしまう。
そこで勇者たちが連携を取り、黄色と紅色の魔方陣で徐々に
個体を減らしていった。
初めは魔王城の上空を、埋め尽くさんばかりに存在していた
カウンタフィットと呼ばれる存在。
この世界を支配するために生まれてきた彼らも
残っているのは、わずか十名。
「人間にこれ以上の力は無いようだ」
勇者たちの攻撃が続くなかで、今まで
呪文の詠唱以外の言葉を発していなかった
カウンタフィットの戦士、その一人が口をひらく。
「では、残った我々が根幹、と言う事になる」
「少し多すぎる気もするが?」
一人の発言は、他の者たちへの呼び水となったのか
勇者たちとの戦闘を忘れて議論が飛び交っている。
そんな彼らの周りには、既に紫色の魔法陣が生成されており
勇者が放つ魔法はすべて霧散していた。
それを見たアブソルートとシーミングが敵に対して
魔法を放つ。
「大鎌の一閃」
アブソルートが緑、シーミングが黄色の魔方陣を生成し
そこから放たれる攻撃が残された敵、最後の十人を襲う。
緑と黄色の魔方陣は、紫の魔方陣単体での力を上回り
その攻撃で七人を倒した。
倒れた者たちの力が、残った三人に集まっていく。
仕留めそこなった三人の力が膨れ上がる。
その三人めがけて、ベーゲルとカフェイロが呪文を放った。
「悪魔の鉤爪」
標的を目がけて襲い掛かる鉤爪が、途中で霧散する。
「馬鹿な!」
ベーゲルたちが放った魔法も緑と黄色の魔法陣。
それは敵の紫の魔方陣を凌駕し、完全に消滅させるはずだった。
だが、三人の傍らに存在する物がある。
「詠唱・・・」
その姿を見たゼンが呟く。
そして、紫と青の魔方陣から放たれた、防御魔法によって守られ
三人が再び話し始める。
「ようやく、これで終わりのようだ」




