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クロツ大陸 3

ナザード大陸を逃れ、新天地に安住の地を求めようとした人々の中に

彼はいた。

彼の名はベルクと言い、魔王が進行を開始した頃、5番目に滅びた国

べヘナで酒場を営んでいたが

戦況の悪化を予測し、早々と店仕舞いを決め、移住を決意していた。

元々、商売の才覚が無い様で、借金が無いだけまし。

という経営状態だったので未練はなかった。

まだ酒場の買い取り手がいるうちに手放し

新天地を求めて船に乗った。

先見の明、といえば聞こえは良いが

実際には今までの日常に対して背を向ける

そんなきっかけが欲しいだけだったのかもしれない。

この頃の移民は主に国を滅ぼされたゲア国の国民が多く

他の国の民はまだ少数だった。

同郷の民と会う事が無かった彼は、移住民の住む海岸沿いを離れ

内陸部へと探索に出かけることが多くなった。

そこで、先住文族達と出会うことになる。

彼らの基本的な姿勢としては、極力干渉しない。

というもので、定住する土地を持たない生活では

争いを避ける一つの手段となっていた。

また、大陸の土地は十分ぎるほどの広さを備えていた。

そんな彼らに興味を持った彼は彼らと共に生活をし

やがて彼は部族長の娘と結婚をして、部族を継ぐことになる。

しかし、時がたつにつれ、ナザ-ド大陸からの移住者は増え続け

彼らは、豊か地を求めて侵略を続けていた。

そんな時、ベルクの元に一人の男が現れた。

ナザ-ドで見かける常連ので

いつも一人で飲んでいる客だった。

そんな彼が訪ねてきたと聞いて

疑う気持ちと僅かながら、懐かしい

という気持ちから、会うことにした。

部族のテントに相手は一人。

彼は人払いを、願い出る。

ベルクは何故か違和感なく、それを聞き入れてしまう。

人払いされて、男が

「あなた達は滅びます。」

唐突に、彼が切り出す。

「まあ、久しぶりに会ったんですから

酒でも飲みながら。」

先ほどの言葉を聞き、おおよそ自分たちの未来を思いつつ

ベルクは言った。

しばらく、酒を飲みながら昔話に花を咲かせていたが

再び彼がこう言った。

「このままでは、あなた達は滅びます。」

何の為に、こんなことを言うのか。

真意を測りかね、ベルクが問う。

「あなたは一体、何を求めているんです?」

その問いに

「調和、調和です。

しかし、それが叶わないのであれば・・・。」

最後の言葉は、ベルクの存在を忘れたように

呟きにしか聞こえなかった。

「あなた達の未来を掴む為に、戦いませんか?」

単独部族での戦いが自分達の敗北の原因である

ということはベルクにも判っていた。

しかし、このままではいずれ全滅する。

ベルクは周辺部族を説得する決心をする。

「それが良いでしょう。

私も力になれると思います。

とはいっても、私自身が何か出来る訳では無いんですが・・・。」

「というと?」

曖昧な濁し方にベルクが訪ねる。

「魔王の片鱗、とでも言っておきましょう。」

「そんな力、人間が使いこなせる物なのか?」

祖国を捨て、新天地での生活を得た自分に

再び魔王の力が関わってくる事に動揺するベルクだった。

「強制はしません。

ただ、時が来れば選択をしなければならない。

その時に選択肢が多い方が良いのではないでしょうか?」

そう言って彼は去っていった。

残されたベルクは近隣の部族に会合を求めるべく

使者を走らせるのだった。




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