面倒な話
カウンタフィットの戦士の攻撃により
勇者は大きな被害を受けた。
先制攻撃を受けた勇者たちは身を挺して
力を持たない者を庇っていたからだ。
負傷により戦闘不能になった勇者を今度は
彼らに守られた非戦闘員が介抱する。
そんな彼らをめがけてカウンタフィットの部隊が襲いかかった。
さらに上空からは味方の被害を考えていないのか
途切れることのない魔方が降り注いでくる。
この攻撃で人間だけでなく、カウンタフィットの戦士も
巻き添えで続々と倒れていった。
その時、ようやく非戦闘員の安全確保を終えたアブソルートたちが
次々に上空に飛翔する。
彼らは次々に魔法を繰り出し、敵の殲滅を行う。
その攻撃で敵の三分の一は消滅した。
しかし、勇者たちは敵の弱さに対して更なる警戒を行う。
勇者の倒した敵の力の源が、残存する兵力に吸収されるのを
知っていたからだ。
敵を倒しても、その力が新たな敵に吸収されてしまう。
しかし、敵の全てを一瞬で葬り去るのは不可能だ。
ここから先は、敵の数とそれに集約された力に対して
倒すことが可能な量を見極めてなければならない。
もし、一匹でも残してしまうと、その個体には
全ての力が集約されることになる。
「まったく、面倒は話じゃないか」
それは、事情を知っている者なら誰でも言いそうな発言だった。
しかし、この言葉を発したのが誰なのか
結局、わからないままだった。




