予定は未定
ペンの魔法詠唱は、間もなく終わろうとしていた。
あとはその魔法を兄妹に向かって放とうと体制を変えた時
ペンは不可思議な力によってその場から弾き飛ばされる。
兄妹の新たな攻撃か?
身構えながら兄妹を見るが、彼らもまた
その場から弾かれたペンの方を見て
一瞬ではあったが、防御を忘れるほど、驚きの表情をしている。
と、言う事は、まさか味方であるディアスが本当に裏切ったのかと
恐る恐る、彼の表情を見た。
その表情は、兄妹同様、驚きの表情だったが
彼の視線はペンが吹き飛ばされる前にいた場所を見ている。
そこでようやく、自分が元いた場所に目を向けると
見知らぬ男が立っていた。
その男は逃亡を図ったジェラスだ、ファウンのから逃れて
この地に出現したというのに、ここにも面倒な輩がいようとは。
ジェラスは、自分の不運を嘆きつつ再びその場を去ろう
とする。
「封印を、破壊したのか?」
そんなジェラスに対して、ディアスが問う。
その言葉で少し冷静さを取り戻したジェラスが
ゆっくりと辺りを見回すと、そこには
エンビー家の兄妹と二人の男が立っている。
その四人を見渡して、面倒なところに現れてしまった
そう思いながらも、自分の中の力にに気が付いた
ディアスに、少し興味がわいたのか、ようやく
その問いに答える。
「封印?
ソイルの力のことかな?
もしそうなら、私が有効に使っているよ」
この時ディアスは、レヴァに対して与えた水晶の封印を
無理に解いた場合、レヴァの命も失われるように構築していた。
それは、自分以外の者が封印を解き、レヴァを操ることを
阻止するためでもあった。
だが今、目の前の男がその封印を解き
水晶に眠る力を自分のものにしている。
そう感じたディアスがレヴァの死を感じ、絶望的な表情を浮かべる
その表情を見て、何故かジェラスの口元に笑みが浮かぶ。
予定とは違ったが、この四人の力を吸収すれば
少しは足しになるかもしれない。
そう思ったジェラスが兄妹に向かって手をかざした。




