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簡単な話

封印されていたソイルの力を手に入れたジェラス。

彼は貪欲にほかの管理者の力を求めていた。

ただ、ソイルの力を手に入れた時にある違和感を覚えていた。

ファウンの力を奪った時よりも、ソイルの封じられていた

力を手に入れた時の方が圧倒的な強大さを感じている。

それはもしかしたら、管理者の個体差による能力の違いだろう

と自分を納得させていた。

そして、もう一つの違和感は、あの少年

レヴァの事だ。

手に入れたソイルの力に興奮していたことや

バニティとシダイズの命と引き換えに

と理由をつけてまで命を助けたのは

少年が、真正勇者協会の幹部インシディと似ている

と感じたからだ。

それは、容姿や雰囲気などではなく、自分が力を手にしたからこそ

わかる事だった。

そんなことを考えていると、彼にとって、願ってもない訪問者が

現れた。

「そろそろ、こちらから出向こうと思っていたんですよ。

それをわざわざお越しいただいて、ありがとうございます」

訪問者であるファウンに、丁寧に礼を述べるジェラスに対して

「いや、礼には及ばない。

ただ、預けた物を返してもらいに来ただけだからね」

その自信に満ちた声を聴いて、ジェラスは少し苛立ちながら

「良いでしょう、無知なあなたに教えてあげます。

私は先ほどソイルの封じられた力を手に入れました。

あなたの力を手に入れた時よりも強大な力でしたよ」

そう言ったジェラスの表情は、ファウンを少し馬鹿にしたようにも見える。

「そうか、では、その力を使って、どうするつもりなんだね?」

表情を変えないファウンが問う。

「簡単な話ですよ。

私はこれからあなたの力を手に入れる。

あなたは死に、その力は私が永遠に活用してあげましょう。

貴方の思い出とともに、ね・・・」

その言葉を聞いたファウンが驚きの表情を見せる。

「い・いや・・・。

人間、というものは、どこまでも無能だ。

さらに加えて愚かな存在だと言う事がよく分かった」

そう言いながら、心の中で

愚かなのは自分以外の管理者も同じだが。

と、考えていた。

ファウンの言葉に激高したジェラスが攻撃を行おうとする。

ところが、彼の力は発動されることはなかった。

呆然と立ち尽くすジェラスにファウンが優しく話し始めた。

「元々、君の力によって奪われた力は、一割にも満たないものだったんだよ。

その力を表面的に偽装することで、私の力は半分以下になった。

それを見たサイデン、といっても君にはわからないだろうが

その彼は快く、私に協力してくれたよ。

そして、君は調子に乗ってソイルの力を手に入れた。

ここで君を始末すれば、今後の私を脅かす存在が減ることになる。

しかも、君を始末するのは、単に

自分の力を取り戻し、運が良ければソイルの力も

手に入れる事が出来る。

そんな簡単な話なんだよ」

話をしながら、ファウンがジェラスから与えていた力を取り出していく。

ただ、取り出すのは自分の力だけで、ソイルの力には

手を出していなかった。

それは、ファウンが先ほど手に入れたソイルの力が

自分になじんでいなかった場合の拒否反応を警戒した

というのが理由だった。

ところが、その事がジェラスの逃亡を助けることになる。

ジェラスは、奪ったファウンの力を、ソイルの力で強引に切り離すと

その場から掻き消えた。

放出された力をすべて吸収したファウンは

ジェラス程度なら、いつでも始末できる。

それこそ、本当に簡単な話だ。

そう考えながら、魔王城へ向かうために

その場から姿を消した。


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