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手術を受け始めた

治験を受けることを言ってから30分もしないうちに、僕と彼女は特別な治療室へと案内されていた。

治療室は、完全に魔術的、病理的に隔離できるように陽圧室となっており、そこらじゅうに御札が貼られていた。

「では治験をはじめる。執刀医は和田浩輔(わだこうすけ)、主治医は伊予田久美子(いよだくみこ)河島牧人(かわしままきひと)。主治医はそれぞれ倫理委員会により承認を受けて実験計画書に沿って治験を行う。インフォームド・コンセントにより、被験者は治験内容を理解し、その上で全てのリスクを承認。また、書面により確認を行った」

デジカメを回し、その画面に向かって執刀医が話す。

実際に手術として体を切り開くようなことはしないのだが、それでも手術ということもあり、執刀医と表現しているらしい。

僕にはよくわからない世界の話だ。

「では、治験を開始する。被験者両名を手術台へ」

「はい」

看護師が複数人がかりで、僕たちを手術台へと寝かした。

僕は普通に歩いてこの部屋へやってきたのだが、何やら特殊なコーティングをされた台ということで、部屋の中でストレッチャーに寝転び、それを大に横付けしてから転がるという方法になった。

真美は集中治療室からやってきたこともあり、ストレッチャーに乗ったまま部屋へ入室した。

「手術方式は、治験承認番号003-1100を利用。結果いかんにかかわらず、これらのデータは被験者の氏名を把握不能な統計処理を行った上で、治験管理者並びに倫理委員会へ提出する。では執刀開始」

執刀開始という声は、真美に聞こえていないようだ。

僕から取り出されるのは、魔術粒子だけなので、特に麻酔をかけることもない。

真美も麻酔をかけることはないようで、台に寝転がって、ゆっくりと呼吸をしているにすぎない。

酸素マスクも付けることはなく、代わりに心電図モニター用の電極が取り付けられていた。

「電極を付けますね」

僕の答えを聞くより先に、看護師が僕の体に4つの電極を取り付けた。

しっかりと体につくようにということで、粘着テープが電極の上から貼られた。

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