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互いの主治医と出会った
30分ぐらいすると、真美が動いたように見えた。
起きたようだ。
すぐに看護師が集まって状況を確認している。
父親が別室から呼ばれたようで、全身をすっぽりとビニールのような服で覆っていた。
何が起きているか、声は漏れてこない。
だから、見て考えるだけしか、僕にはできることがない。
そう思っていたら、いったん病室へと帰ろうと思い、動こうとした。
そこに、看護師がやってきた。
「ちょっと待っててくださいませんか」
「え、僕ですか」
看護師に呼び止められたことが意外で、思わず聞き返してしまった。
どうやら僕の主治医と真美の主治医が話し合った結果、あることをすることになったらしい。
本来であれば保護者に同意を取るような事柄であるのだが、事は急を要する。
そんなわけで、電話で了解を取ったうえで、僕は彼女と引き合わされた。
2人の主治医と一緒に。