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三度出会った

さらに1週間後のこと。

僕が彼女の名前を知ってから、1週間経ったということだ。

僕は彼女とまた出会っていた。

ただし、今回は彼女からのたっての希望ということらしい。

なんだろうと思って、約束の場所へと向かう。


一般病棟の、魔術隔離区域と呼ばれるところだ。

本来は魔術病棟へと入院するのだが、ここでは魔術病以外の病気の治療を行うために入院している人たちが入院している。

「お待たせしました」

僕は、待ち合わせ場所の談話室の一角で、机に肘を置いて、何やらぼんやりと外を眺めている彼女へと声をかける。

「大丈夫、今来たところだから」

予定時間ぴったり。

でも、彼女はもっと早く来ていただろう。

そうは思っても、僕は口にしなかった。

「お医者さんに、魔術病棟に入院している子の話をしたらね、治療の一環で会うのがいいかもと言われたの」

「ああ、それで僕に……」

魔術粒子貯留症は、どんどんと魔術粒子を溜め続けるわけだけど、たまった魔術粒子は周囲へとゆっくりと魔術としての影響を与え続ける。

「私の病気は、「慢性魔術感染症症候群」って名前。魔術粒子を一度に多量に浴びることが原因なんだって」

聞いたことがある病気だ。

魔術粒子による被曝という感じだ。

「治療法は、確か緩やかな曝露だっけ」

「うん。魔術粒子にゆっくりと体を慣れさせていく。これが一番の治療法だって」

薬はあるらしいのだが、それよりも、この方が効率的だと言われている。

「そっか。なら、また会えるかもね」

僕の治療は、魔術粒子を吸い出すというもの。

一方、彼女の治療は、僕にたまっている魔術粒子の魔術波を浴びること。

まあ、また会えると思っていた。


1週間後、僕の運動も兼ねて、彼女と一緒に作業療法室で会うことになった。

それ以後も、定期的に。

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