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再び出会った

あの時は、本当に挨拶だけだった。

あの少女は誰か、僕はかなり気になった。

ここに入院してから10年は経つ。

院内学校に入学して、今年はもう高校2年生までなった。

知り合いなんて、病院の中と、あとは僕の家族ぐらいなものだ。

だから、初めて出会ったあの子が、とても気になった。

またいつの日にか会えないか。

そう思い続けていた。

だが、彼女と出会うことなく、1ヶ月がたった。


定期検査で、僕は一般病棟にいた。

無論、魔術粒子用の結界が張り巡らされている。

「あれ」

僕が看護師と歩いていると、廊下の角を曲がった時に声をかけられた。

彼女だ。

「こんにちは、千種(ちぐさ)さん」

看護師が声をかける。

「こんにちは。あの時の……」

僕は一回うなづく。

それを見て、彼女は嬉しそうに笑った。

「二人とも知り合い?」

「中庭で前たまたま会っただけです」

彼女が看護師にいう。

あの笑顔はもう見えない。

「そっか。二人とも高校生だっていうことに気づいた?」

「彼女も、千種さんも、高校生なんですか」

「そうよ」

看護師はそれ以上のことは言わない。

しまったという顔をしていたからだ。

だからこそ、僕もこれ以上何も彼女へと聞かなかった。

だが、彼女は、僕に聞いてきた。

「病院の人以外は久しぶりに会っちゃって。よかったら名前教えてくれないかな……」

「僕は、守。古戸吹守(ことぶきまもる)

「守くん。うん、守くんだね。私は千種真美(ちぐさまみ)

「千種さん、でいいかな」

「それでいいよ」

彼女はそう言って、今日は点滴もしないで歩いて廊下を曲がって行った。

ようやく名前を教えてもらった僕だった、それよりも彼女の記憶力に舌を巻いた。

一瞬で僕を僕だと判断できたのだから。

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