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11話「会社の海軍」

 ノルトバルが船の便所で大海原に糞を放擲していると、灰色の制服に士官徽章付けた男みたいな女、直接の上司で第一一戦闘班長でこの船の先任海兵士官のサイが入ってきて躊躇もしないでズボン下ろして隣の便所で小便し始める。

「おめぇ……確か女だろ?」

 毛が濃くて筋肉が凄かったが、間違いなくぶら下がってなかった。髪は短く顔は男前、しかし胸は膨らんでる。今まで髪の短い女を見たのは伸びるほど歳を取ってない子供だけだ。サイはグルっと回した首を傾げたまま睨み付けてくる。何か喋れよ。

 男女とは言えそれを見たまま糞垂れるのは難しいので目線を反らす。急にケツが閉まりだしやがった。まだ残ってる。当直交代前には便所を済ますのが理想だ。我慢しながら仕事なんぞやってられない。しばらく努力を重ねていると、糞をし始めたサイが話し掛けてくる。

「客室のお嬢さま方だったらいくらここで待ってもこないわよ。便所桶があるからね」

「んなこた聞いてねぇよ」

「手を出す度胸があればどうぞ」

 どっちのことを言っているか不明だが、メサリアと違ってこんな毛深くて男より腕太い上に犬みたいな歯してて獣臭い奴に手を出す気はない。ましてや人食いの噂があるダルクハイド人だ。しかし所詮噂でもある。今やサイの直接の部下になって、同じ班員の連中は全員ダルクハイド人だ。思い切って聞いてみる。

「なあ、ダルクハイドの人食いって話本当か?」

「そっちと違って人を食い続けても病気にならないことは分かってるわね。なったことないし」

「食ったことあんのか?」

「特別美味しくないわよ。ま、鈍いし群れてるからまとまって手に入るのがいいとこよね」

 当たり前のように感情込めずに喋る。からかってるのだろうか、本当だろうか。

 ヘラでケツの糞を処理してからサイは立ってズボンを上げる。それでノルトバルの顎を掴んで鼻が付くぐらい顔を寄せてくる。

「無用な衝突を起こさない分別はある。死んでも生きた仲間に口は付けない。死んだら肝臓食って葬る。あと聞きたいことは?」

 最後の糞がケツから出る。

「ありません」

 鼻を摘まれてグリグリ捻られてから、ケツに付いた糞をヘラで取ってズボンを上げる。

 時間を告げる鐘が鳴らされ、調子を付けた甲高い号笛の吹奏が行われ、士官の号令が響く。

「当直交代、第三直配置に付け!」

 壁に立て掛けた火縄銃を担いで、便所を出て自分に割り当てられた航海配置に付く。バタバタと船内中から交代のために青い制服を着た水夫、二角帽を被った士官、灰色の制服を着た海兵、士官徽章を付けた海兵士官が出てくる。

 ノルトバルの場所は左舷後部甲板、内容は警備。反乱の危険がある水夫は作業以外では立ち寄らず、士官や客人が歩き回る場所なので新入り向けらしい。そもそも全員が志願して入社した者なので反乱の可能性はほとんどない。過去にはあったらしいが、不満の多い航海が長引きすぎたり、人手不足で無理矢理乗せた連中がいたことが原因だったそうだ。前直の海兵からは「異常なし」とあくび交じりに引継ぎをされる。

 ここは、代表とその秘書の部屋に張り付いているサイの目が届く場所なので、何かあったら直ぐに駆け付けてくれる。または直ぐに鉄拳が飛んでくる。

 やることがないから、海兵向けに配られる社内法の冊子を読む。サイがそうしてろと以前に言ったのだから問題ない。まだまだ慣れない海原の揺れも相まって時間が立つと吐き気がやってくる。そうしたら目を離して休憩。海を渡る鳥が羽休めに船縁にとまる。

 海を挟んだ向こう側にはザルハル方面軍、改めザルグラド大公国軍の艦隊が、ザルハル方面軍旗を掲げて水平線の向こうまで隊列を成している。大きい船から小さい船まで多数だ。彼等を守るように中大洋社の艦隊はルファーラン商船旗と中大洋社旗を掲げて隊列を成している。最初見た時は壮観で、当直中はずっと眺めていたが流石に今は飽きた。

 今日の飯のことを考える。塩漬け肉、塩漬けキャベツ、麦粥、固パン、乾燥豆、干し魚、ビール、ワイン、バター、チーズの内どれかの組み合わせ。何れもが保管状態が悪いのか何なのか、臭くて不味い。いつもなら長めの航海でもこれに保存の効く果物やお茶まで出るそうだが、パルドノヴォ、ザルグラドと新鮮な食べ物の補給が出来なかったのが内容が酷い原因らしい。一時期のアファーズ山脈のことを考えれば何てことはない。死んだ親父の飯に比べればご馳走だ。

 後部左側から順に中大洋社の船が信号花火を上げる始める。鐘が連打されて警鐘が鳴らされ、調子を付けた甲高い号笛の吹奏が行われ、士官の号令が響く。

「総員戦闘配置に付け!」

 配置中はいつでも戦闘に入れる格好なので、そのまま帆柱にある戦闘楼を目指して走る。船全体が揺れるほどの勢いで船内から水夫や海兵が駆け出してくる。甲板に滑り止めの砂が撒かれ、接近戦用の武器が入った箱が並べられる。

 帆柱を昇るために、網目状に組まれた縄梯子を駆け上がるが、船も縄梯子も揺れるので難しい。自分より小さい子供が火薬袋をかついですばやく登っていく。同じ配置のサイは、あとからきたのにもう上へ行っている。戦闘楼に到着、戦闘配置に付いた。

 戦闘楼には一人で操作出来る三脚に乗せられた小型砲が置かれている。小さい砲弾が詰められた箱や先程の子供が運んだ火薬袋が用意されている。小型砲をいじっている同じ班の海兵バレイが髭まみれの口を開くと、サイと同じ犬のような歯を見せる。

「おうペーペー、海戦は初めてか?」

「うん」

「陸と違って地べたが跳ねくりやがるからな。前隣にいた奴なんてすっ飛んで甲板でぐちゃりって潰れやがったぜ」

 ぐぇっははは、と笑うバレイの制帽を、サイが取って禿げた頭をぴしゃりと叩いてまた被せる。そしてバレイが笑い、サイは無表情。仲よしだな。

 サイがメサリアの火縄銃に弾薬を装填し始めたので、ノルトバルも自分の火縄銃に弾薬を装填する。二丁を使い、ノルトバルが撃ってサイが装填するというやり方をすることになった。サイは海兵士官で他にも部下がいるのだが、そっちは信頼出来る奴に任せてるらしい。必要になれば集まるよう声を掛けるそうだ。

 魔法使いが操るという、ちょくちょく船にきては言葉を流暢に喋っていた鳥の使い魔が飛来する。そして二角帽を被りながらゆっくりと外に出てきた猫提督に報告。声が妙に高いので喧騒の中でも響く。

「西北西にマンゼア軍艦隊発見。隻数およそ、戦列艦五、巡洋艦一三、小型艦二一。当方へ向けて全速力で直進中」

 猫提督が頷き命令を出す。

「第一、第三戦隊は左側、第五、第七戦隊は右側について二列縦隊で西北西よりくる敵艦隊を迎撃。接触後は左右に分かれて包囲殲滅。第二戦隊は東方、第四戦隊は南方の警戒に付け。第六、第八戦隊は警戒しながら北回りで敵艦隊の背後を突け」

 鳥の使い魔が復唱して上昇、無数の他の鳥の使い魔が集合して小うるさく復唱してから一気に散る。

 提督と同じよう二角帽を被った黒毛の猫艦長が操船の指示を矢継ぎ早に出し、それに合わせて士官が細かい指示を出し、熟練水夫に怒鳴られながら水夫達が帆を索具を操作し始める。そこら中で滑車が鳴って縄が滑って帆が動く。そして猫艦長が腕を振り上げると魔法の風が吹き、それを受けた帆が膨らんで船が走り始める。魔法の風と自然の風のせめぎ合いがあるせいか、素人目にも士官の指示も水夫の動きも忙しないように見える。その代わり船は物凄く早く進み、合流した他の船と列を合わせるのもあっという間。他の船にも風を操る魔法使いがいるのか。

 右舷に砲撃用意の号令が下り、船が転覆しそうな動きをして右舷を敵の巨大な船――こちらよりも小さいが十分大きい――の船首に向ける。

 船が急制動を掛けて減速し、一瞬風の渦に巻き込まれて帆がデタラメに荒れ狂ったと思ったら船の揺れがほとんど止り、右舷に砲撃開始の号令が下り、縦に三門、横に一六門、合計四八門の大砲が次々と砲声を上げて船を揺さぶり、白煙と砲弾を吐き出す。命中しない砲弾はあるが、次々と船首に穴を空ける。そして砲撃が終わり、また風が吹いて船が増速を始める。

 バレイが耳を引っ張ってくる。

「いいかペーペー、船首に砲弾をぶち込むとな、船の中を砲弾が走るんだよ」

「うぇー、んなのか」

「それに喫水線より下に穴空いたのは見たか?」

「分かんねぇ」

「まあ見てろ」

 砲撃された船を見てると、船尾が上がって船首が沈み始め、乗員が飛び降りたり小型艇を降ろしたりと大騒ぎをしている。

「あ、沈むな」

「そう、船は前に進むように出来てる。その前に穴が空いたら海の中に自分から突っ込んでるのと同じで、修理もままならないくらいどんどん海水が入ってくる。そうなりゃ水扱うのに長けてる魔法使いさまでも乗せてなけりゃ終わりだ」

「あー、凄ぇな」

 海兵の仕事がないまま、この船に味方の船も増速してあっと言う間に進み、急制動を掛けて止り、一方的に敵に砲撃を加えては進む、を繰り返す。時折敵の反撃があるものの、たまに一発二発当たるだけで、負傷者が少し運ばれる程度。

 敵船からはあの、ルノロジャ連隊を崩壊に追いやったあの長い物が発射される。だが我々中大洋社の船は素早く、簡単に避ける。よく見れば長い物は飛んでいく方向がデタラメで、いい加減に撒き散らして終わりである。そればかりか発射してる船から火の手が上がったり、味方に誤射を加える船までいる。

「あんなもんに負けたのか……」

 ノルトバルは力が抜けて座り込む。サイに頭を二発軽く叩かれてからゆっくり立つ。

「すまねぇ、気ぃ抜けた」

「どうしたの?」

「あれ、あの飛ぶ長ぇやつ、あんなアホ臭ぇもんだと思わなくてよ」

「火箭のこと? 陸ならまだしも風の強い海上で距離とってやるならあんなもんじゃない。練度も低そうだし」

「そうか」

 小さい船が砲撃でボロボロに崩れる。そういう光景をしばらく見ていると、あの鳥の使い魔がやってきて、暇そうに手すりに寄りかかっている猫提督に報告を上げる。

「第四戦隊司令より、南方のペルドノス群島より偽装していた敵艦隊出現。隻数およそ戦列艦三、巡洋艦五、小型艦五○を若干超える程度」

「第一、第三戦隊を南方に向ける。残りは任務続行」

 また鳥の使い魔の群れが集合して、復唱しまくってから散る。

 猫艦長の指示が飛び始め、また船上が異様に忙しくなり、船が急激な回頭を始め、今までにない速度で走る。

 船体が軋みを上げ、掻き分けた波で敵艦隊を揺さぶりながら真ん中へ突っ込み、両舷から砲撃しながら突っ切る。後続船も続き、波で海上をかき回して砲弾で船を打ち砕く。中には爆発炎上し、火の中から火箭が飛び出す船もある。そして回頭し、また敵艦隊に突っ込む。砲撃を受けた敵船が一際大きい爆発を起こす。あっと言う間に船尾の彼方に消える火柱に目を取られる。

 敵艦隊の先頭集団が攻撃もしていないのに一斉に火を上げ始め、そこから水夫が一斉に逃げ出す。

「見ろよぺーぺー、自爆用の焼き討ち船だぜあれ!」

 また船が速度を上げ、そして減速し、火を噴く焼き討ち船に狙いを定めて砲撃。砲撃された側に船が傾いて転覆、火薬に火が回って大爆発。そうしてその頃には次の焼き討ち船に狙いを付けて砲撃。次々と海上に火柱が上がって、燃える船の破片がばら撒かれる。熱い空気が吹き荒れる。

 しばらく焼き討ち船を破壊して回っていると、この船だけがここから離脱してまた高速で走り始める。サイが身を乗り出して遠くを眺め、首を捻ってから一気に帆柱を上り、そして飛び降りてきたような勢いで戻ってくる。

「どした?」

「首狩り作戦だわ。ザルグラドの艦隊の旗艦に敵船が取り付いてる。あそこには大公やら何やら偉いさんが乗ってるはず」

「助けんのか?」

「そうみたいね」

 焼き討ち船が破壊され続ける喧騒から離れ、空気が冷たくなってくる。何もしていないのに掻いた汗が引いてくる。船の行く先に敵船の船尾が見えてくる。

「あれか?」

「もう一隻が旗艦とやりあってる。焼き討ち船も囮で、本命は大公の首みたいね」

 船が距離を取りながら迂回し、遠距離から一方的に砲撃を加える。敵船の砲撃は遥か船尾の彼方に水柱を上げるだけ。そして敵船の船首側に回って砲撃、敵船の足が止る。あとは海水をどんどん飲み込んで沈むだけ。

 船がまた高速で走り始める。ザルグラドの巨大な船に敵のそれよりは小ぶりな船がガッチリとくっついているのが見える。

「ぺーぺー、きたぞ、本番だ」

 この船があの二隻にどんどん近付く。今までのように距離を取って大砲を撃ち込むなんてことはしない。敵船と横並びになろうとすると、船の隙間が白煙と砲弾で埋め尽くされ、木片がいくつも吹き上がる。ザルグラドの旗艦と敵船の上では小銃や小型の大砲を撃ち合っていて、短刀や短槍を持った敵の海兵や水夫が乗り込もうとしている。

 真下から悲鳴や絶叫が聞こえる中、火縄銃を構える。敵の頭を狙うとメサリアを思い出して体が一瞬動かなくなる。落ち着いて、波の揺れに海上の強い風も考えて敵の胴体を狙う。命中、倒れる。次々とサイから火縄銃を受け取って狙い撃つ。近いからよく当たる。

 水夫達が鉤縄を放り投げて敵船を掴み、引き寄せ始める。少し前までは綺麗だった、今では穴だらけの敵船の横腹が見えなくなってくる。

 バレイも火薬運びの少年と一緒に小型砲を撃ちまくる。船中の至る所にいる海兵は小銃を構えて撃ちまくる。一部は手榴弾を放り投げている。水夫達も拳銃を撃って、今にも乗り込もうと短刀や短槍を持って構えている。サイが耳元で声を出す。

「敵の士官、偉そうな奴を優先して狙って」

 そう言われると下っ端の兵隊ばかり狙っていた。偉そうな帽子、とくに羽根付きを被っている奴を狙う。いつの間にか火縄で火傷していた手が痛み始める。撃つ、外れる? 直ぐにサイから火縄銃を受け取る。撃つ、焦り過ぎた、帽子を吹っ飛ばしただけだ。顔は覚えた。火縄銃の装填を待つ。サイを見ると、物凄い速度で装填していた。

 左手で持った薬包の端を噛み千切る時に、涎で湿らないように千切った薬包の端を覆いにしたまま点火薬になる火薬の一部も歯で持っていきながら、右手で火蓋を開けて火皿を露出。

 口で火皿に点火薬を落として薬包の端を吐き出しつつ、左手で火薬と弾丸を銃口に落とし、空の薬包を左手で丸めて銃口を塞ぎながら、右手で火蓋を閉じる。。

 左薬指と小指で保持した装填棒の一突きで入れにくい施条入り銃口の奥まで入れながら、火の点いた火縄の先に息を吹き掛けて火種の確認。装填棒を抜きながら引き渡す。

 揺れる船上ではなくても難しい動作があるのに、五数えるかどうかの内にやった。

「んっだそれ気持ち悪ぃな」

「田舎じゃ十数える内に出来ないと銃持たせてくれないのよ」

 火縄銃を構える。帽子を拾い直した奴に狙いを改めて定め、船の揺れと風に合わせて撃つ。命中、倒れる。

 敵が自分の船を見捨てるようにザルグラドの旗艦に乗り込み始めている。こちらも船を付け終わり、板で橋を架け始める。サイが少年に指示を出す。

「第一一戦闘班に集合掛けてきて」

 少年が頷いてから縄を滑り降りる。

 次にノルトバルとバレイに指示を出す

「銃はここに置いていく。抜刀突撃」

 バレイが嬉しそうにする。サイも縄で下に滑り降りる。真似して縄を掴んで下りる、金玉が縮んだ。次にバレイも降りてくる。

 サイ以下、ダルクハイド人が内側に湾曲した蛮刀を抜いて待っている。ノルトバルは刀を抜く。サイが短く訓示を垂れる。

「我々が先頭になって突っ込む。以上」

 喚声を上げることはなく、全員ニヤりと牙を剥き出しにして笑う。他の海兵の所では海兵隊長が盛り上げている。

 サイが先頭になり、橋が掛け終わるのを待つことなく、船縁を蹴って敵船に乗り移り始める。あれ? と思っている内にノルトバルはバレイに抱えられて敵船に移る。

 仲間達が襲い掛かり、敵船にまだ残っている敵があの蛮刀で、肩から股下まで内臓引きずり出されながら掻っ捌かれる。殴ると頭が潰れて血が耳から出る。蹴ると折れた骨が脚から剥き出しになる。喉笛に噛み付いて顎だけで持ち上げ、矛先や銃弾を防いで進む。振るわれた蛮刀を剣で受け止めようとした敵士官、そのまま自分の剣ごと蛮刀が身体にめり込んで死ぬ。

 ノルトバルは自分の力のなさに唖然とし、自然と最後尾になってくる。だって俺必要ねぇだろ。

 船から出遅れたように姿を現す敵も、その様子を見てこっちに視線を送ってくる。同意しながらもとりあえず拳銃で撃ち殺す。拳銃に弾薬を装填する。

 橋が架かって船から海兵隊長が先頭になって乗り込み始め、船の中へ入っていく。船上はこっちに任せられてるらしい

 第一一戦闘班がザルグラドの旗艦に乗り込み始めたので遅れないように走って追い付く。挟み撃ちにされた敵は既に抵抗力を失うも、せめて大公の首を獲ろうと躍起になる。しかしザルグラドの旗艦の船上には、血塗れになって防火斧を振るうルノロジャ卿の姿があった。

 ほどなく船内は掃討され、撃破されていない他の船は逃げた。

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