表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

前編(アラスタシア視点)

「ミリアナ……、愛している」

 

 僕は無防備にソファで寝息を立てている眠り姫にソッとキスをし、歓喜に包まれていた。


 この可愛らしい眠り姫は僕の最愛の恋人だ。

 名前をミリアナと言う。

 職業は戦士。気の弱い魔法使いの僕をいつもサポートしてくれる最強の女性だ。

 最初僕らはただの仕事仲間だった。

 だけど僕が彼女に恋をしてしまったことで関係が変わった。好きだ好きだと泣きながら告白したのが一ヶ月前。絶対気持ち悪いと言われると思ったが、ミリアナは「お前の執念には負けたよ」と言ってお付き合いをOKしてくれた。

 それから僕の薔薇色の日々が始まった。

 いつも隣にミリアナがいてくれる。笑いかけると笑い返してくれる。好きだよと思う存分伝えられる。

 毎日が幸せ過ぎて怖いと思った。


――だけど、そんな幸せな日々は長く続かない。


 ミリアナが僕の恋人になってくれただけでも満足しなければならないのに、僕はそれ以上を望んでしまったのだ。


 具体的に言うと、ミリアナと片時も離れたくない。おはようからおやすみまでずっと一緒にいたい。

 それと、他の人と話さないでほしい。

 男はもちろんだけど、女ですら嫌なのだ。

 話しているところを見ると心が病む。

 束縛したい……。誰の目にも触れさせたくない……。

 ミリアナは、僕だけのミリアナなのだ……。


 そんな欲求が爆発した僕は、ある秘策を思い付いた。


――そうだ、監禁しよう。


 監禁すれば誰の目にも触れない。誰とも喋らない。

 僕だけのミリアナでいてくれる……。


 監禁を思い立ったとき、僕は震えるほど嬉しくなった。

 すぐに実行に移す。


 まずはミリアナを僕の家に呼んだ。

 良いお酒があるんだと誘うと、ミリアナは大喜びで家に来てくれた。

 それからお酒に睡眠薬を入れる。

 それをミリアナに勧めると、疑いもせずにガンガン飲んでくれた。


 そして今に至る。睡眠薬入りのお酒をたっぷり飲んだミリアナは、僕のソファでクウクウ寝息を立てているのだ。


 下準備は整った。

 僕はニコニコしながらミリアナを横抱きにした。

 起こさないように注意しながらゆっくりと寝室に運ぶ。


 ベッドに下ろすと、ミリアナの両手に手錠をかけた。

 これは特注の手錠だ。

 僕の魔力が存分に込められているので、ちょっとやそっとじゃ外れないだろう。


 手錠を掛けられて眠るミリアナは美しい……。


 ぽうっと見惚れていたが、あまり時間がない。

 これから仕事なのだ。

 なんせこれからは一人じゃない。二人分の生活費を稼ぐため、バリバリ働かなければいけないのだ。


「ミリアナ……。すぐ戻ってくるからね」


 僕はミリアナの唇にそっとキスをしてから寝室をあとにした。

 もちろん寝室に鍵をかけるのも忘れない。

 この鍵も僕の魔力を込めた特注だ。防音効果があり、どんなに叫んでも外に聞こえることはないだろう。

 計画通りにことが運んで嬉しい……。嬉し過ぎる!

 

 あぁ……。これから僕とミリアナの二人だけの世界が始まるんだ。


 誰にも邪魔させない。邪魔する奴は殺してやる。


 そんな決意のもと、僕はウキウキしながら仕事に向かったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ