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断罪されて追放された悪役令嬢、頭を打って前世JKに戻ったら 、RPGチートが覚醒して逆ハーレム作る旅が始まりました  作者: 奈香乃屋載叶(東都新宮)


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フローレのステータス

 出発の準備が整った頃、朝の空はより明るくなっていた。

 私は彼女の顔色が戻ってきているのを確認し、小さく安堵の息をつく。


「……少しは、良くなった?」


「はい。グローリア様が……助けてくださったおかげで……」


 フローレは胸元を押さえながら微笑む。

 その顔には、さっき見せていた涙と不安がほとんど残っていなかった。


(良かった……本当に良かった。昨日は魔王軍に殺されかけて、今朝は貴族令嬢を介抱して……もう私、何をしてるんだか)


 そう思いながらも、胸の奥に温かい感情が灯る。

 悪役令嬢グローリアだった頃、私はフローレに雑用ばかり押しつけていた。

 でも今はーー助けたいと思った。


「ねえ、本当に良いの?」


 さっき意思を確認したけれども、もう一度訊いてみた。


「はい。グローリア様が一人で旅に出るのを、見ていることなんて出来ません。あたし……ずっと支えたかったんです。貴女がどれだけ叱っても、どれだけ気丈に振る舞っても……寂しそうなの、気付いていましたから」


「……っ」


 胸がつまる。

 そんなこと、私は一度も気付かなかった。

 悪役令嬢グローリアとして過ごしていた頃の私は、誰も自分を見ていないと思っていた。


「でもね、フローレ。旅は危険よ。魔物もいるし、魔王軍もいる。仲間になるって、それだけで命を賭けるということなの。昨日だって……私、死にかけたんだから」


 さっきよりも詳しく説明していく。

 危険性が伝わるように。


「構いません」


 フローレは迷いなく言った。

 それも同じ言葉でも、よりはっきりと。


「グローリア様と一緒なら……たとえ危険でも、あたしは後悔しません」


 強い意志をを宿した目。

 さっきまで倒れていた少女とは思えなかった。


(……やっぱり変わらないのね)


「ねえ、どうして私を追いかけたの? 私が本当にエミリアを……」


 誰もが信じていたのに。私の罪を。

 だからこそ、誰も助けてくれなかったから。


「いいえ。グローリア様は何もしていないと思っています」


「えっ……?」


 どうしてそう信じてくれるんだろう。


「グローリア様を無情にも処分しているとすれば、ネウム家があんなに荒れていたのがおかしかったからです」


「ネウム家が……? お父さんが私を追放したのに……?」


「だからこそ、信じたんです。あれは何もやっていないと」


 ここまでポップアップが出てこないなんて。

 あのUIがおかしいと思うくらいに。

 真実をずっと言い続けているんだ、フローレは。


(フローレ……あなたはずっと私に仕えてくれていたのに、私はあなたの気持ちを一度も見ようとしなかった)


 だからこそ、私はフローレの気持ちを再確認する。

 私は微笑みながら、手を差し伸べた。


「それなら、一緒に行きましょう。これからは、”仲間”として」


「……っ、はい!」


 フローレは涙を浮かべながら私の手を握り返した。

 その瞬間、ポップアップが出てくる。


ーーーーーーーーーー

◆パーティ結成

【新規メンバー:フローレ・ザグレブ】

役割:支援・補助・生活技能

ーーーーーーーーーー


 彼女の手を握った瞬間、森の風がふっと止まり、澄んだ音が耳の奥で鳴った。


ーーーーーーーーーー

◆ステータス情報

ーーーーーーーーーー


名前:フローレ・ザグレブ

種族:人間

職業:侍女見習い

階級:貴族令嬢(没落中)

称号:奉公人/光の芽吹きを持つ者


レベル:1


HP:34/34

MP:52/52

力:3

知性:14

器用:27

運:9


スキル

・薬草処理

・簡易治癒

・家事万能

・応急手当

・光魔術

・風魔術

・生活魔術


ーーーーーーーーー


 二つのポップアップが出ていて、私に情報を与える。


「何これ、けっこう能力がある。本当にゲームみたい……」


「えっ……グローリア様? 今、何か……?」


 フローレがきょとんとしている。

 そっか、見えていないんだね。

 かなりメタい感じになっているんだ。


「あ、ううん! 何でもないわ。ただの仕様よ、仕様!」


 仕様もメタっぽいセリフなのを思い出した。

 でも、そのまま通しちゃおうかな。


(仲間になるとこんなのも出るの!? 便利すぎるでしょこのチート!)


 でもUIの端には小さく注釈があった。


ーーーーーーーーー

◆”キーマン”の加入により、ストーリー分岐が発生しました

ーーーーーーーーー


「……キーマン?」


 ポップアップの文字を見てみると、キーマンという文字。

 フローレが重要キャラなの……?


「グローリア様? 大丈夫ですか?」


 読み上げていると、さらにフローレは困惑していた。

 メタい部分に触れているから、やっぱり状況が分からないんだ。

 フローレの前では気をつけないと。


「う、うん! とりあえず、行きましょう。まずは最初の村を目指さないと」


 私達は村を目指して歩いていく。


 追放された悪役令嬢。

 元女子高校生の私。

 それを慕ってくれた没落貴族の令嬢。


 私とフローレの旅は、ここから本当の意味で動き出した。

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