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第9話 初めてのお買い物

 クエストも順調にこなせるようになってきたし、レベルも10まで上がったし言うことはないんだけど、最近モンスターが強くなってきたんだよね。レベルの低いモンスターを倒してもレベルは殆ど上がらないから仕方ないんだけど。もう少し強い武器と防具が欲しいかな。


 よし決めた! 今日のお昼休みに買いに行こうっと。

「今日のお昼休みに武器と防具を買いに行こうと思います。もう少し強い武具が欲しいし、服はいつまでも制服のままだし」

「いいよ。ゆっくり買い物を楽しんでおいで」

「ありがとうございます」

私は喜んで、財布の中身を確認した。5000マネもある。これだけあればいい物を買える気がする。せっせとクエストをこなしてきた成果よね。


「そうだ。麗華ちゃんはよく働いてくれるからね。これを持ってお行き」

おばさんは白い封筒を渡してくれた。

「え? 何ですか?」

「開けてみなよ」

「はい」

封筒から3000マネが出てきた。


「これって」

「買い物の足しにしておくれ」

「でも、お給料はちゃんと貰ってますし・・・・」

「いいんだよ。麗華ちゃんのおかげでお客さんも増えてるからね。遠慮はいらないよ」

「それじゃあ、お言葉に甘えて。ありがとうございます」

やったー! これで8000マネだ。結構いい物が買えるかも。


「それじゃあ、出かけようか」

「ポチも行くの?」

「当然さ。麗華だけじゃどの武器がいいかわからないだろ」

「それはそうだけど、店の人に聞くこともできるし」

「君に合った武器は僕にしかわからないよ」

「それもそうね」


 私達が出かけようとするとおばさんがそっと私の耳元で囁いた。

「あまりポチの言葉は信用しない方がいいよ」

「え? どうして?」

「店に行ったらわかるさ」

ちょっと気になるけど、とにかく行って見ようっと。


 私達の行った武器屋さんは思ったより大きかった。入って右半分は武器のコーナー、左半分は防具のコーナーになっている。うーん、これだけあると迷っちゃうよ。まずは防具かな? 制服で戦うのはおかしいもんね。


 私は強そうな武器を中心に見ていった。鉄の鎧にブロンズアーマー、凄いオリハルコンの鎧まである。でも350万マネだって、高すぎだよー。

「麗華に金属の鎧は無理だよ。せっかくの柔肌が隠れ・・・・じゃなくて重すぎるよ」

「それもそうね」


 私は軽そうな防具を捜すことにした。革の服か。鉄の鎧よりは軽そうだけど高いなあ。

「これなんかどうだい?」

ポチのお勧めは絹のワンピースだった。確かにファッション的にはかなりいい気もするけど、どう見ても防御力は高いとは思えないんだけど。

「これって値段が高い割に防御力弱そうだけど」

「じゃあ、これだね」

「ビキニの水着じゃない! どう考えても隙だらけで防御力弱いわよ!」

何かおばさんの言ってた意味がわかってきたような・・・・。


「このチアガールのミニスカートがいいよ。君にぴったりだ」

「どこからそんな発想が出てくるのよ!」

「色気でモンスターを困惑させる効果がある」

「モンスターが雄とは限らないでしょ!! もういいよ。店員さんに聞くから」


 丁度近くにイケメンの男性店員がいた。あの人に聞こうっと。

「すみません。防具を買いに来たんですけど、買い物が初めてで何を買っていいかわからないんです。教えてくれませんか?」

「はい、わかりました。どんな物をお求めですか?」

「できれば安くて防御力が高い物がいいです」

店員はテキパキと服を選び始めた。やっぱりこういうときはプロに聞くのが一番よね。


「これなんかいいと思います」

「これってメイド服ですよね?」

「はい、とてもお似合いになるのではないでしょうか?」

「これを着てモンスターと戦うのって変じゃない?」

「そんなことはありませんよ、もしお気に入らないのでしたこちらのナース服などはどうでしょう」

店員は満面の笑みで勧めてくる。


「どうしてコスプレっぽい物ばかりなんですか?」

「まあまあ、一度試着してみましょう。試着室へどうぞどうぞ」

「そうだよ。着てみないと分からないよ」

「ポチまで何言ってるのよ! ちょ、ちょっと、別に着たくないから・・・・」

この後、私はゴスロリ、スク水、バニーガールなど次々と様々な服に着せ替えさせられるのであった。


 今回のことではっきりとわかったことがあるわ。

『これからは絶対男には服を選ばせないことにする!』


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