↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
73/73

第73話 効率的なレベル上げ

 効率のいいレベル上げをするために大きな森に来ている。この森の奥にはたくさん経験値がもらえるモンスターがいるそうだ。

 強いモンスターじゃないといいけど。

「もうそろそろだ。虹色のモンスターを見つけたら教えてくれ」

「そのモンスターって強いんですか?」

「大丈夫だよ。そんなに強くないから。ただやたらと丈夫なうえにすぐ逃げるんだ」

 強くないのならいいか。ていうか、かなりお得なモンスターだよね?


 私が森の中を注意深く見ていると虹色のものが見えた。

「勇者様! あそこ」

「いたぞ! レインボースライムだ」

 私たちは早速攻撃を仕掛ける。


 勇者様の攻撃。レインボースライムに1のダメージを与えた。レインボースライムの攻撃。サラに1のダメージを与えた。

 何よ、この地味な戦闘は?

「もう少しだ。みんな頑張れ!」

 レインボースライムは逃げて行った。

 なるほど、こういうことか。負けそうになると逃げるんだ。


「あ、またいたよ」

 今度は虹色のモグラだ。これもきっと弱いよね?

 勇者様の攻撃。レインボーモグランに1のダメージを与えた。レインボーモグランの攻撃。麗華に3500のダメージを与えた。麗華は倒れた。

「大丈夫ですか?」

「私どうなったの?」

「死んじゃったから復活の魔法をかけました。たまたま成功してよかったですね?」

 クレアが笑顔でとんでもないことを言っている。

確か4時間以内に復活できなかったら二度と生き返らないんだよね?

「それより、あのモグラ強いじゃないですか?」

「本当は弱いんだけどね。100万分の1の確率で強い攻撃を仕掛けてくるんだ」

 私って運悪すぎじゃない?


 その後もいろんな虹色のモンスターと戦っては逃げられた。

「これじゃきりがないよ」

 アイラが疲れた声でそういうと切り株に座り込んだ。

 そう言えばもう2時間は戦い続けている。因みに0勝0敗57引き分けだ。

 私も疲れたな。


「挟み撃ちにしてはどうでしょうか?」

 クレアの提案にみんなが注目する。

「私とサラさんが隠れていて、戦闘が始まったらモンスターの後ろに出て行くんです」

「なるほど、それはいけるかも」

 勇者様が核心を持った声で言った。これでレベル上げ成功だね?


 レインボータヌキチが現れた。サラとクレアがモンスターの背後に回った。レインボータヌキチは横から逃げて行った。

「ダメじゃん」

 サラがため息をつきながら言う。

「では、こうしましょう。全員で5角形に囲むのです。これなら逃げられませんから」

 

 レインボーシッポが現れた。私たちは奇麗な5角形を作ってレインボーシッポを取り囲んだ。

 レインボーシッポの攻撃。クレアに1のダメージ。サラの攻撃。レインボーシッポに1のダメージ。

「これなら行けそうだ。あと少しだ。みんな頑張るんだ!」

 レインボーシッポは私の方に突進してきた。そのまま私の足元を潜り抜けて走り去った。シッポって走れるんだ? そんなことより。

「どうして一番運動神経が悪い人を見抜けるのよ!」

「きっと野生の勘だね」

 アイラがぼそりと言った。


 結局、何をしたって逃げられるみたい。これだけ戦ってもレベルは全く上がっていないよ。

「こうなったら最後の手段です」

 クレアが真剣な目で訴えている。

「網か何かで罠を作って、かかったモンスターを全員でボコりましょう」

 ここまでくると勇者一行のすることじゃないよね?


 疲れ切っているためか、全員が必死で罠を作り始めた。みんな早くこの状況をなんとかしたいみたい。

 そして完成。網で作られた罠ができた。これを木に吊るしてその中に餌を置いた。モンスターが餌を取りに入ると重みで罠にかかる仕組みだ。


 ガサ!

「レインボーモンキーが罠にかかったぞ」

 勇者様の一声で全員、罠のところに駆け寄る。訓練されたみたいに早い集合だ。

そしてみんなでレインボーモンキーを袋叩きにした。

「よし、倒したぞ!」

「これでレベルが上がるわね」

 アイラが手を上にあげて喜んでいる。


 シーン。

 あれ?

「レベル上がった?」

 アイラがみんなに聞いた。そう言えば音が鳴らないような?

「上がった感じがしませんね」

 クレアが自分の体を見て答える。


「レベルは上がってないね」

 突然ポチが例の本を出して言った。

「どうしてー?」

「調べてみるよ」


 ポチが本の辞書機能で調べている。何かの手違いかな?

「レベルが上がらない理由がわかったよ」

「何?」

 みんながポチのところに集まってくる。

「卑怯な手段を使ってモンスターを倒したときは経験値を得られないんだ」

 世の中そんなもんだよね?

 今日一日が無駄に終わってしまった私たちは、肩を落としてとぼとぼと森を去るのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。