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第48話 もっといい武器を

「やあー!」

ボキ。またファルカタの棒が折れちゃったよ。これで五本目。いくら安くてもたくさん買えばかえって高く付いちゃうじゃない。まさかファルカタの棒がこんなに弱いとは・・・・ 

「麗華ちゃん、武器を買いに行こうか」

この会話も五度目だよ。何かみんなに悪いような。


「いらっしゃい。やあ、お姉ちゃんまた来てくれたね」

この会話も五度目かな? これも何か恥ずかしい。

「あのう。ファルカタの棒以外の武器が欲しいです」

「いいのはいくらでもあるんだけどね。お嬢ちゃんが装備できる武器となると」

予想通りのことを言われてしまった。

 

「まあ、いろいろな武器を持ってみて見つけてくれ」

この店ははっきり言って大きくない。以前行った大型店とは違い、庶民的な個人経営の店といった感じだ。しかし店自体は昔からの経営と行った雰囲気ではっきり言ってボロい。


「奥に置いてある商品って蜘蛛の巣が張ってない?」

アイラが真剣に嫌そうな顔で言った。

「あの奥にあるのってヒノキの棒ではないでしょうか?」

「あれなら私にでも装備できるかな?」

「たぶんできると思います。それにファルカタの棒よりは硬いですから折れにくいと思います」

クレアが言うのだから間違いない。よしこれにしよう。


 私は奥の棚へと手を伸ばした。あれ? とどかない? じゃあ、この趣味の悪そうな剣をこちらにのけて。ん?

「クレアさん」

「どうしました?」

「この趣味の悪そうなこの剣ですけど、手から離れません」

「あらあら、これは呪いがかかった剣ですね」

「ええー! 私どうなるんですか?」

「呪いが解けるまでこの状態だと思います」

「早く呪いを解いてください」

「私の魔力では無理っぽいです」

「どうしたらいいんですかー?」

「教会に行きましょう」

「お願いします。こんな趣味の悪い剣を持っていたくありませんから」


「でも、この前の大聖堂からは随分離れてしまったからな」

勇者様が真剣な声で言った。どうしてそんな真剣な顔で言ってるのよ? 不安になるじゃない!

「問題はどんな呪いがかけられてるかですね」

「え? 手から離れないだけじゃないですか?」

「呪いの強さによって変わるが、呪われた武器を装備すると様々な弊害が出ることが多いんだ」

「ええー!」


「三日かけて大聖堂に戻るかこの先の町に教会があることを祈るか」

「三日も呪われた武器を装備していてレベルの低い麗華さんの体が持つでしょうか?」

「えええーーーーー!!!!!」

何? 何? この人達何を言ってるの?

「仕方ない。次の町に大きな教会があることを願おう」


 そして私が店を出る時、更なる不幸が私を襲う。

「お客さん。店の物を黙って持って行ったら万引きですよ。その剣の代金をお願いします」

「いくらですか?」

「そうさなぁ。貴重な剣だからねぇ。まあ、10万マネーに負けときますよ」

「これは呪われた剣だぞ。呪われた物がそんな高いわけないだろう!」

「払っていただけないんでしたらその剣を置いていってもらいましょうか?」

只者ではなさそうなお爺さんだったが、本当に只者ではなかった。これで私の全財産は吹き飛んでしまうのでした。

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