ゼロイチ12
フタコ(それだ!きっと、この扉は妖力の度合いで、開閉が決まっているんだ。)
フタコ「ヒノミ!ドアが動いた時の感覚覚える?」
ヒノミ「え…どうしたの急に。」
ヒノミは肩を抑えながら痛そうにそう言った。
フタコ「私、分かったの。どうやったら扉が開くのか!」
ヒノミ「本当!?えっ!どうやるの?」
ヒノミは食い気味に聞いた。
フタコ「この扉はね。決まった妖力で動くようになってるんだよ!フタコは何回も扉を叩いたでしょ?その時に偶然その妖力に近づいたのよ!」
ヒノミ「な、なるほど!だから聞いてきたんだね!」
フタコ「そう!」
ヒノミは興奮しながら話していたが、頭を抱え始めた。
ヒノミ「え~と…ほら。フタコなら知ってると思うけど、あたしって感覚主義じゃない?だから…その。どれくらいの妖力かっていうのが説明するの苦手なんだよね。それにあの時は何も考えないでひたすらタックルしてたし…」
ヒノミはとても言いにくそうにモジモジしながらそう言った。
フタコ「ヒノミ!大丈夫よ!私達何年いっしょにいると思うの?ヒノミの事なら私が一番知ってるんだから!」
フタコは胸を張った自信満々でそう言った。
ヒノミ「さっすが〜!じゃあ記憶を頼りに教えるね!」
フタコ「任せなさい!」
…
…
…
10分後
フタコ「なるほど。分からん!」
フタコは開き直ったのか、胸を張ってそう言った。
だがそこで終わりにならないのがこの双子だ。
ヒノミ「だから!こうやってぐい〜っと押すんだよ!分からないかな?」
フタコ「分かった!もういい!ヒノミに頼らなくても私は1人でこの試練をクリアして見せる!」
ヒノミ「そっちが、教えてって言ったじゃん!」
フタコ「うるさい!もういい!いつもそうやって私を馬鹿にするんだ!」
ヒノミ「馬鹿になんかしてないって!」
フタコはヤケ糞になったように扉を何度も何度も押し始めた。
フタコ「そういうのを!」ドン!
フタコ「馬鹿に!」ドン!
フタコ「してるって!」ドン!
フタコ「いうんだぁぁぁぁ!!!!!」どぉぉぉぉぉん!!
ギギギギギィ…
ヒノミ「うわぁぁぁぁ!!開いた!!開いた!!凄いや!フタコ」
フタコ「アンタも手伝いなさいよ!!」
ソート・ニア「うわっ!マジかよー!扉の妖力上限値を超えた力で押しやがった!」
フタコ「よっしゃぁぁぁぁ!ざまぁ見ろ!私が開けてやったぞ!どうだヒノミ!」
ヒノミ「凄い!凄い!やっぱりフタコは頼りになるね!」
カツカツカツ
再びハイヒールの音が廊下から聞こえた。
ソート・ニア「いいでしょう!とりあえず合格です!」