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復興は難しい

 

王都迄の道が整備されたことにより

西側の今の状況が徐々に知れ渡った

その為、辺境の地から離れていた人々も少しずつ戻ってきた

出稼ぎに出て居た者も帰ってきては復興に携わり

棟梁の元で土木建築のノウハウを学んでいた

この地に居たガラス職人の元にも曾ての弟子達が何人か戻ってきた


川の整備に辺り、その周辺の土地の整備等で今までの住居が無くなった者も居たが

200人弱の領民しか居らず、空き家になっていた家屋等に移動していた


そこで問題が発生する

幾ら空き家だからと言ってそこには曾ての住民が居る

王都迄の整備が整うと人の往来が多くなる

生まれ故郷が復興に邁進してると知れば帰りたいと思う元領民も居るわけで


「新たな問題が上がってしまいましたね...」


はぁっとため息を着くシルビア


「復興途中でかなりの元領民が戻って来ました。邸で働く者達の家族もそうですが、棟梁達の家族もかなりの人数ですからねぇ」


ゲインもまたはぁっとため息を着いた

空き家の殆どを元々残っていた領民や使用人達、棟梁達の家族に与えてしまっていた

所有権を言い渡されたら此方は何も文句も言えない

新たな家屋を作るにしても、下準備さえ整っていない

先に川の整備と考えていたので、その為の物質調達の為には王都迄の道の整備は不可欠だった

整備が整うと人の往来は激しくなる

その事を念頭に入れていなかったシルビアは落ち込んだ

母譲りの知識を持ち合わせていると自負していただけに...


「取り敢えず使えそうな家屋の補修を同時に進めましょう

元居た住民が戻ってたら、直ぐに移動出来るように...此処も出なくてはいけない状況に成るかもしれないので新たな住居を探しといてくれる?」


「そうですね...商人が何時戻って来てくるか解りませんが、商売するにはまだまだ復興したとは言えません。準備が整い次第移動致しましょう」


ブラウン辺境伯にも相談した


「自分は戦術の采配は得意だか、机仕事が不馴れな上にシルビア嬢には負担ばかりかけて申し訳ない」


「いいえ、私が未熟だった故に...申し訳有りません

ブラウン辺境伯様が国境整備等をしっかりしてくれていますし、この地に入ってくる人達の身元などしっかりしてくれてるので治安も安定しております

力仕事も非番の騎士様達も協力してくれてますし、その方達の奥様達も炊き出しなどのボランティアもしてくれてます。とても助かって居ます」


「ゲイン殿の指示の元、治安をより強固にするならば入館書等の発行が重要だと...この地は北側は山、川があり南側は海に面している。西側は隣国との国境。唯一の逃げ道は王都に繋がる道だけ。誰彼構わず招き入れるのは危険と...シルビア嬢が来てから我々の傲慢さもわかったのです。未熟だと言うならば私も同じ、一緒にこれからも領地の復興に尽力して欲しい」


「ありがとうございます。そう言っていただけて少しホッとしました。

南側は海なのですか?今まで居た商人は一体どんな物を取り扱っていたのでしょう?領産品はどの様な物を取り扱っていたのでしょう?」


「良くは知りませんが、領産品はガラス工芸です。南側は崖ですが船の着岸は可能です。大きな船ではなく数人が乗れる程度の船ですが...申し訳ない、戦の後処理が手一杯で、領地の事はあまり詳しく...」


「5年も続いた戦です。残党も多々居るでしょうしまだまだ安全とは言えません。王都迄の道のりの整備も完了しました。それと平行して川の拡張工事も順調です...が住居の確保が問題ですね」


「ゲイン殿が住民登録を迅速にしてくれたので、何処に誰が住んでるか、住んでいたか等は直ぐに把握できます。戻って来た住民の登録も進んでいます」


「山林の整備も進んでいますし、作物の育生も進んでます。粗方の土地の整備も進んでいますが住居の建築着手迄は見通しがたってません。ですから暫くは移住や出戻りは受け入れないと言うことは出来ませんか?働き手ならば宿舎等はありますが」


「そうですねぇ....」


「宜しいでしょうか」


「ゲイン、何か良い案が?」


「はい、入領書の発行をその場ではなく申し込みだけにしましょう。今まではその場で書類の記入等してもらっていました。故に時間がかかり、待ち時間も長い。申し込みの際に入領書の発行が出来次第連絡をする。」


「そうね、そうしたら以前の住民かそうじゃないかがわかるし、住居の確保の目処が着く」


これで暫くは住居問題で悩まずにすみそう

そう思っていたが、次々と問題は降って沸いてくる

もー!復興って難しい!と日々思いながら復興を目指してます!





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