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初めまして、シルビア・マクレーンです!


道中何の問題もなく進んだ。

その途中で母達が命を落とした場所に白い薔薇を捧げた。


「ここは道端が狭く、崖も所々崩れているわね」


見上げた崖は土がむき出しの所が多々あり、倒壊寸前の木も見受けられた

道も凸凹で、慎重に馬車を進めなければ反対側の崖に落ちてしまう


「お嬢様、この悪路では物資を運ぶのには不向きです。町中の整備をするにしても足りない物の調達に時間が掛かります。先に此方を優先してみてはどうでしょうか?」


棟梁の所から派遣されてきた若い衆の1人ダリル

彼は設計から力仕事も何でもこなす逸材だと言われている。


「土木建築のエキスパートが言うならそうでしょうね。計画を立ててみましょう。」


「道が整備されれば4日も掛からずに王都と往き来出来るはずです。早馬ならば尚の事、取り敢えずはこの崖の状況を把握したいので数人はここに残ります。残りの奴等は町の状況を把握させるので」


「解りました。調査するには数日はここにいるのかしら?」


「いえ、日没迄には辺境に行きますよ。何時崩れても可笑しくない所での野宿は危険ですから今日出来る範囲の調査と山林の健康状態を見てから辺境に行きます。」


話ながらテキパキと準備をして山林の中に入っていった

昼前にも拘わらず鬱蒼とした暗い道を進んだ

程なくして辺境の地に着いた


「ここが西側の辺境なのね」


「はい、林の中をもう少し進んだら南東に位置する家屋に着きます。ブラウン辺境伯様が使えそうな家屋の整備をしてくれている筈です。」


「ゲイン、荷物を粗方置いたら辺境邸にご挨拶に向かいましょう。」


「お嬢様、その必要が無いようですよ。」


ゲインの視線の先に目を向けると

大きな馬に跨がったガイム・ブラウンと騎士の装いの女性1人と4人の男性の姿がいた

6人が馬から降り立つとガイム・ブラウンの大きさが目を引いた。4人の騎士達はガイムより一回り小さいと言った体格だが、ギルとさほど変わらない体格

女性としてはかなりの高身長で鍛え上げられてる節が見受けられる


「マーガレット・マクレーンの娘、シルビア・マクレーン嬢であられるか?私はこの地を任されてるガイム・ブラウンと申します。」


「お初に御目にかかります。申された通り私はマーガレット・マクレーンの娘、シルビア・マクレーンでございます。以後お見知り置きたく存じ上げます。」


「シルビア嬢、この度はお悔やみ申し上げます。そして、この地に来てくれた事を感謝致します。簡単な紹介をさせて頂きます。私の妻シェルリと騎士団副団長のマコーレ・コスナー、以下3名は後々」


軽く頭を下げられる


「シルビア・マクレーンがシェルリ・ブラウン辺境伯婦人に挨拶を致します。」


そうカテーシをすると婦人は慌てて騎士の挨拶で返してきてくれた


「シルビア嬢、我ら夫婦は近衛騎士で平民上がりな者で...上流階級の習わしには疎いのです。この地を任され、辺境伯の名を頂いたのも先の戦での功労なので不快にさせてしまったら申し訳ありません。」


「ブラウン辺境伯様、私はもう既にマクレーン伯爵令嬢ではありません。只のシルビア・マクレーンですので、お気になさらずに」


「来てくださったのだから歓迎の宴でもと思っているのですが、邸に居る者達は皆騎士団な者で....西側の警護や民達の支援等で人手不足でして...」


その為に自分達が来たのだと伝えると、ホッとした表情を見せてくれた

母達の事故この時、救出活動をしてくれたお礼と慰霊碑のお礼を伝えた

雨が降ってきたから帰路は待たれよともっと強く引き留めていたらと謝罪もされた


「母はきっと一ヶ月もの長い間領地を離れたことが気になって仕方なかったのだと思います。元婚約者に任せてみたのですがこれがなかなかでして...私が代わりを勤めていたのが心配の種だったのでしょう。ですからブラウン辺境伯様のせいでも有りません。」


「寛大なお言葉痛み入ります...それでは我が邸にご案内致します。」


北西に位置する辺境伯邸は石垣作りの要塞の様な建物だった

戦の時は難攻不落の要塞として活躍したそうだ

逃げ遅れた民達はこの要塞で命を繋いだ

残っている大半の民達はこの要塞で守られた人達で、出稼ぎに出て居る者も居ると言う


「この地はひと度雨が降ると町の川が氾濫をするのです。少々の雨ならば大丈夫ですが、大雨や長雨が続くとどうしても氾濫してしまうのです。定期的に川の清掃をしてみても改善されないのです。」


邸の最上部にある大きなテラスに案内されて話を聞いていた

流石は難攻不落の要塞と言われた邸だけあって、町を全て見渡せる

西から南東は隣の国との境

そこは林と石垣で境界線を作っていた


あそこはまだ手を付けなくても大丈夫そうね

邸の裏手にある川は水量や流れを見ても幅が狭そうにみられる、豊富な水量だから町中にもう一本川を作れるかしら?


ぶつぶつ言ってる横でゲインがメモを取り、作業員達も又メモ書きしていた

マリーと料理長達は以前の田畑に近衛騎士数人と向かった


「ブラウン辺境伯様町中の川を見てみたいのですが、それと日没辺りに3人の作業員が来ますので」


「川ですか?案内します...作業員の合流を待ちますか?」


「川の視察は私達と残りの作業員で見ます。後から来る作業員は道中の崖の調査をしてから来ますので、今日の報告の時にご紹介します。ですから、報告会の場所をお願いしても宜しいでしょうか?」


それならば邸の応接室との事で決まった









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