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勘当されました

「君との婚約は破棄させてもらう!僕はマリアと婚約する!」

声高らかに言い放った馬鹿男(ジョセフ)

そんな馬鹿男(ジョセフ)に肩を抱かれてうっとりと見上げる馬鹿女(マリア)

さらに私を呆れさせたのは父親だった


「シルビア、お前に拒否権はない!家主である私がお前とジョセフの婚約破棄を認め、マリアとの婚約を承認した!」


何言ってるの?母が守ったマクレーン家を路頭に迷わすの?


「お父様、この婚約破棄や婚約等々はジョセフのご両親も納得しているのですか?」


「両親達は反対したがマリアと婚約、結婚するならば婿に行くのだからドルーアン家とは縁を切る事。つまり、認めてくれたと言うことだ」


えっ?どの辺が認められたのかな?

私には理解不能なのだけど、この人達は解っているの?いないの?


「えーっとマリアとジョセフはいつから付き合ってるの?」


「えーお姉様それ聞いちゃいますぅ?私達は3年前からお付き合いしてたんですぅ。でも、ジョセフ様はお姉様の婚約者・・・私達は日向で愛を育んでいたんです」


おい!それを言うなら日向ではなく、日陰でしょう!


「つまり、3年前から不貞を働いていたと言うことですね。婚約破棄は受け入れましょう」


「ありがとうシルビア!」

「ありがとうお姉様!」

「シルビア、私はお前の父として一言言っときたい。女は見かけだけではダメだぞ?確かにマーガレットは美しかったが中身が頂けなかった。」


中身がって・・・何言ってるの?この男(父親)は?


「仕事で疲れて帰ってきた夫を癒すのは妻の勤め、マーガレットはそれが出来なかった・・・私は癒されなかったのだよ、解るかシルビア?」


解んない!って言うか理解不能!

ジョセフは解ります!何て言ってるし!何が解るのか教えてよぉって回りを見たら父寄りの使用人達は頷き

本邸の使用人は冷めた眼で彼等を見ていた

おっ!見えない境界線が綺麗に見えるわねぇ本邸の使用人達は私の後ろに使えているし


「婚約破棄の慰謝料、不貞の慰謝料を二人から頂きます」


「はぁ?」「えっ?」

「何言っとる!可愛いげが無いからジョセフが癒しを求めたのだぞ!お前みたいな可愛いげがない娘等要らぬ!即刻出ていけー!」


「まぁ出ていくのは良いでしょう。しかし、後で言った言わない等がないように書類を作成させて頂きます。それに不貞相手が婚約者の妹等と言われて肩身が狭い思いをするよりはちゃんと手続きをしてマリアとの婚約の運びに成ったと示した方がよろしいかと・・・」


「お前は本当に母親に似て可愛いげがない!夫を立てる事が出来ない駄目な女の子供だな!快く祝福出来ない心が狭い子だ!だが、マリアの為に書類にはサインを仕様。」 


だから僕に必要なのは君ではなくマリアなのさ

マリアを抱き締めなから3文芝居を見せられている間に執事のコールの息子ゲインに指示を出す

本当にこれが自分の父親なのか?とでも疑いたくなるほどのバカな発言

書類も自分で用意すると言う発想も無いらしい

余り内容を読まずにサインしそうね

後でゴタゴタしたくないからちゃんと作りましょうか


ゲインに指示を出した私を見ても、父の執事はニコニコしてるだけ

おいおい、不利にならないように『こちらでも書類を作成して、双方ですり合わせしましょう』位の助言出来ないの?

使えない人達を回りに置いてどうするのかしらねぇ

まぁ勘当すると言うならばそれはそれで良いでしょう

だけど、領地の人達を路頭に迷わすのに・・・気が引ける

んー何か良い方法は無いかしら?

あっ!そうだよ!西側の辺境に移住するのってアリじゃない!

基盤を整えたら移住希望者を集えば良いし!

キャー!私って良いこと思い付くわぁ

3日後、ゲインが揃えた書類の中にはジョセフの両親のサイン入り書類があった


「あれ?ゲイン、婚約破棄の慰謝料と不貞の慰謝料、勘当に関する書類がうちとドルーアン家の物があるんだけど・・・」


「はい、あちらのご両親ドルーアン伯爵も息子ジョセフ様との離別をお望みです。」


「えっ?ジョセフを勘当するって言うの?」


「その様ですよ、彼方はご長男がしっかりしてます。今、ここで切らなければ迷惑を掛ける事は想像出来ますしねぇ。結婚相手がシルビア様だったので彼方は小躍りする程喜んでいたようです。」


「小躍りって…」


「奥様の才を引き付いていましたからね。」


「母の足元にはまだまだ辿り着いて無いのに?」


追々追い付けますよ。とニッコリ微笑むゲイン

こうして私は二人から頂いた慰謝料ともう二度とマクレーン家には関わらないと言う名目でかなりの額を頂き、これまで手伝っていた報酬として母から頂いた宝石等々を元手に本邸で働いていてくれた人達と共に西側の辺境を目指す為に動き出した



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