あさき
極貧ながら、母には僅かばかりの学があった
それは、学と言ってはお粗末すぎるものだが
貧乏になればなるほど、周りのものには重宝された
純粋に助かっていると思ってくれる者もいたのだけれど、
そのような人間は、純粋に愚かで、信じる分だけ騙されて貧乏籤を引く側だった
そして多くの者は、妬みなのだろう
ひけらかそうが、押し隠そうが
自分が持っていないものは何とか手に入れたい
どんな手を使っても、手に入れる事ができない物は
持たざる者の当然の権利かのように、それをこき使う事で満足した
『持っているのが、ずるい』という理由は
持っている者は初めからずるをしているのだから、持たない者の位置まで引き摺り下ろしてこそ正当だと思っていて
彼らの目には、スタートの位置より前にいる人間を『ちゃんと並ぼう』という正義を振り翳しているだけで
他者から『よくぞ言った』『よくやった』と褒められこそすれ、非難されるとは思っていない
『くれくれ』と他人の物を欲しがる者は、手に入らないと『ケチ!』と罵るように普通の事なのだ
『ケチ」と罵る者が、真っ逆さまに自ら餓鬼道に突っ込んでいくのが見えたとしても
それを告げても詮なきこと
さて
ここは遊郭らしい
「あーい〜」
とか何とか言っていたら気がつきました
またかよ
またここかよ
ここから振り出しに戻るってか?
どうやら、私は禿でございます