ローマ大帝国
「いつまでここで寝てるの? 」
そう声が掛かった時にふと目が覚めた。
「お前は誰だ? 」
「僕は、フィス・セレント。あなたは? 」
フィスと名乗った子供は可愛い女の子?僕?フィスは何を言ってるんだ?
「僕って……男の子なの? 」
「何言ってんの? 僕は女の子だよ」
そうなのか……びっくりした。間違えたかと思った。そして、俺とは比べ物にならないような綺麗な服を着ている。俺はというと、腰に剣をさし、ぼろぼろの服を着ているだけだった。
「俺か? 俺はディル・ゼレクス。それにしてもここの教会の屋根は綺麗だな」
「僕はここの教会大好きなんだ」
「ステンレスガラスか。ここの人たちはいい物を使ってんだな? 」
「そうでもないよ。いい物を食べて、いい物を使ってるのは法王だから……」
「服も綺麗なものを着ているじゃないか」
「これは、法王の息子と許婚とするから身だしなみだけは整えとけって……僕は嫌なのにここでは法王に刃向かったら『死刑』だから、みんな法王の所有物みたいになってるんだよ。僕は法王の息子なんて大っ嫌いなのに……」
フィスは顔を手で隠して泣き出し、そのままひざまずいた。
「大丈夫か? 」
「ぅん。でも、今の法王は人を人として見てないよ」少ししゃくりあげながらフィスは立ち上がった。
「フィスはその法王の息子は嫌いなんだろう? 」
「うん。大嫌い! でも、明日になったら僕はお城の中に行かなくちゃいけない。僕は、僕は……」そこまで言うとフィスはまたうずくまり泣き出してしまった。
「そうか。でも、好きでもないのにどうしてフィスはお城に行かなくちゃいけないんだ? 逃げ出せばいいじゃないか」
「でも、逃げ出しても追っ手が来る! 一生逃げ回らなくちゃいけないんだもん!無理だよ。守ってくれる人も居ないし…… 」
フィスがなんだか可哀想だ!好きでもない人間と一緒に暮らさなければならないなんて間違ってる。
「お 俺じゃ駄目か? 」
「そんな、今日会ったばかりの人を巻き込むなんて」
「もし、フィスが逃げ出したらフィスの親はどうなるんだ? 」
「お父さんもお母さんも『同罪』になって『死刑』なんだよ」涙声が最後のほうは、つよくなりあまり聞き取れなかったがだいたいの言いたいことは理解できた。
「分かった。でもやっぱり納得いかねぇ! フィス! 俺を連れて城に入れるか? 」
「うん。でもどうして? 」
「城に入って、法王を暗殺する」
「無理だよ! 法王は護衛を十五人も雇ってるんだよ」
「へっ! たったの十五人か何とかなるって。明日を楽しみにしてな! 」
「うん。分かった。でも気をつけてね。捕まったら公開処刑になるから……」心配そうにフィスが覗き込む。
「大丈夫だって」微笑を浮かべながら答えてやる。フィスが心配しないように……。
「うん」まだ少し心配そうだ。
それから夜になるまで、抜け道を聞いたり念密な作戦を立てることになった。
「気をつけてね」
「おう! 捕まらねえように注意する」それだけ言い残して俺は踵を返して歩き出した。
それからしばらく歩くと城に着いた。抜け道を通り、法王の部屋まで到着。
「やっぱり十五人はちょっと固いか」などと小声で喋ってみる。
(さあ、行くか)
ダッ
「侵入者だ! 」兵士が叫びながら剣を抜く。
「遅い! 」俺は容赦なく切り捨てる。
ものの五分程度で応援に駆けつけた者も含め切り捨てた。せっかくの良い敷物が真っ赤な血と死体で濡れている。
俺は皇帝の寝室の扉に手を掛け開けるとそこには誰も居なかった。
「何故だ! 皇帝は何処だ? 」
皇帝を探すために部屋へ足を踏み入れると、後ろから応援部隊が山ほど来てしまっていた。
「くそっ これ以上ここに居ても埒が明かない」しかし引くわけにもいかなかった。
引いてしまえばフィスは明日ここに閉じ込められなければならなくなる。
「引けねぇ」その言葉と同時に金属音が鳴り響く。
しかし大勢対一では分が悪い。
次第に俺の体は傷口が増えていく。
どうすれば勝てる?
その時、俺の利き腕に激痛が走った。
「グッ」しかし、俺は両手持ちだ。すかさず剣を振るう。
一人は切り捨てたものの、もう片方の腕に再度激痛が走り、捕まってしまった。
その後、町の集会所まで連れられ、十字架に貼り付けられた。
ゴーン ゴーン ゴーン
夜の町に鐘が鳴り響くすると家の中から住民が出てきた。
「今から法王の暗殺を企んだ者を処刑する」それだけ言うと俺の下に火を放った。
フィスは居るのか?出来れば居ないでほしい。こんな姿は見られたくない!
探してみる……居た。母親らしき人物にしがみついて泣いている。
「ごめんな。フィス。約束守れなくて」
フィスが急に俺の所に走り始めた。
「来るな! 」もし来たらフィスは反逆者扱いになるだろう。来させてはならない。
しかし、フィスは止まることなく俺の所に来ようとする。
「止まれ! 来るな! 」怒鳴り散らす。
それでもフィスは躊躇うことなく俺の足元にある火の中に飛び込んだ。
「ごめんね。ごめんね。僕のせいで……」フィスはしゃくり上げながら一生懸命謝っている。
「いいから、俺のことはいいから早く戻れ! 」
「いやだ! 僕のせいでディルがこんな目に遭ってるんだもん」
フィスは離れずにその場に留まり続ける。
「お前まで死ぬことは無い! 」
「い、いやだ!離れない! 」頭を大きく振り、その場に留まり続けている。
「お前まで死ぬこと無いのに……約束守れなくてごめんな」
「そんなこと無い」そう言いながら、倒れていった。
ごめんなフィス・セレント……
次遭う時は楽しくゆっくり過ごせる世の中だといいな……
この作品は小説を書き始めて3作目に書いた作品です。
テストの時間内で作成した為、抜け落ちてる箇所また、足りない部分など大量にありますが、今後修正を加えるかどうかは全く不明です。。。
ゴメンナサイ。
と言いますのも、この作品は五年位前に製作したもので、さすがにキャラクターを作成しなおさないとキャラクターの動き・気持ちの変動が全く見えない為修正加えるかどうか考えあぐねてる状態です。
ただ、この作品は初めて資料を使い作成しました。。。
と言う事で(ドウイウコトダ
メッセージなど下さると大変活力になりますのでぜひメッセージなど下さればと思ってます。。。
現在執筆中の作品はR指定なのですがもし読みたいと仰る方は探してみてくださいね^^