魔法とは何か
魔法とは何か、と聞かれた時に「魔力によって物理的現象をおこすもの」と答える者は多い。
しかし、私はそうではないと考えている。
まず1つの理由としては「魔法防御」の存在である。
魔法防御とは、文字通り魔法による攻撃に対する耐性のことである。
しかし、もし魔法が「物理的現象を引き起こすもの」と仮定すると、魔法防御というステータスの意味がなくなってしまうのだ。
どう言うことかというと、例えば「アイスランス」という魔法がある。
氷属性の魔法で、氷の槍を当てる魔法である。
しかし、本当に「槍の形をした氷を作り出して射出する魔法」であるのなら、それは物理攻撃となんら変わりない。尖った氷を投げれば同じ効果が得られるのだから。
よって、私は魔法とは物理現象とは違う独自の現象(ここでは魔法的現象と呼ぶ)を起こすものと仮定する。
実験1
訓練用の案山子A,B,Cを用意し、そこに無属性の魔力弾(威力100)と氷属性魔法のアイスランス(威力100)を打ち込み、案山子の残りHPを見る。
なお、
A…物理防御力100、特殊防御力0
B…物理防御力0、特殊防御力100
C…物理防御力100、特殊防御力100
であり、案山子のHPは全て100であるものとする。
結果
A
魔力弾→HP0
アイスランス→HP0
B
魔力弾→HP60
アイスランス→HP60
C
魔力弾→HP60
アイスランス→HP60
以上のことから、魔法の威力は、魔法の形状や性質、受け側の物理防御力に影響しないことがわかる。
この時点で、物理的な物質と、魔法で創られたものでは明確な違いがあることがわかる。
では、炎ではどうだろうか。
炎とは気体が燃焼し、熱と光を発しているものである。
今までの学説だと魔法で作った炎も、空気中の魔素が燃焼している説や、魔力によって気体を燃やしている説など、結論としては物理現象と本質は変わらないというのが一般論である。
しかし、先程の実験で、物理的な物体によるダメージと魔法によるダメージでは与え方に明確な違いがあることが分かっている。
なので、炎などにおいても同様に、見た目が似ているだけで全く違うものなのではないかと考える。
実験2
ロウソクにAに通常の炎を、ロウソクB,Cに魔法で作った炎をそれぞれつけ、ロウソクAとBを透明のコップで被せ、通常の炎と魔法の炎の違いをみる。
また、それぞれのロウソクの近くに魔力計を起く。
結果
Aのロウソクをコップを被せ、少しすると酸素の枯渇により炎が消えた。
BとCのロウソクは暫くすると同時に消えた。また、魔力計の指し示す数値は両方とも変わらなかった。
以上の結果から、魔法で作った炎は、魔力や気体の燃焼ではない別の性質を持っていることがわかる。
以上2つの実験を踏まえると、魔法とは何かを考える上での手がかりになるのではないだろうか。
まず、物理現象ではない何かである。
そして、実際の物と似ていても、本質的には全く違うものである。
つまり魔法とは、呪文によって魔力が何らかの理由で形や温度などの性質が変化しているものであり、その本質は魔力そのものである。
何故、呪文によって魔力が変化するのかと言うと、それは歴史に正解がある。
魔法とは元来、呪いである。
憎いアイツを殺したい、という願い。それが様々な形に変わっていったものなのだ。
だからこそ、それが目に見える形になったとしても、物理攻撃にはなり得ないのである。




