7 レイモンド君成人しました。
人間、簡単に中身は変わらないものですな。
生まれ変わって別人になって人生やり直しても、フツメンがイケメンになっても、なんやかんやで着地点は一緒でした。
俺には!彼女が!出来ない!!
この話しばっかりですいませんね、生きていれば誰しも小さな悩みが尽きることありませんが、目下1番の悩みがこれなもんで!
人生の目標でもあるんで!
レイモンドの肉体としては、一般的に思春期と呼ばれる年代を過ぎつつあるが、こちとら産まれてすぐからずっと思春期のようなものだからな。
前世では、仕事仕事でエネルギーを他にまわす余裕もなくなっていたので、恋人を作ろうって考えまで至らなかった。
でも心の片隅に、欲しいなーって気持ちは多分ずっとあったんだ。
当時は意識してなかったけど。
生まれ変わって思う。
あの頃は毎日が必死で気づかなかったけど、美味いもの食べたいな、とかどこか旅行行きたいなとか。
そういう風に自分にとっての楽しい事を考える事もなくなっていた。
時間的に無理だから、と。
今思えば、美味いものぐらいは普通に食べに行けたんだけどな。
それすら面倒と言うか、美味いものを美味いと感じなくなっていたと言うか。
好きだった読書も、まず本を手に取る、そこからしなくなって、読むのはお得意さんとの会話についていけるように、それだけの為に経済新聞やスポーツ紙。
結構やばかったなぁ...。
就職してから仕事してる記憶しかないもんなぁ。
あのままだとやばかったんじゃないのかなぁ。
あ、だから人生強制終了したのかも知れないけど。
(実際にどうなったのかは、確かめようがないのだが)
限界を越えていると、限界だと感じる事すら出来なくなるみたいだ。
仕事選び、大事だな。
何が言いたいのかというと、やっぱり俺、神父になるしかないわ。
そして結婚だわ。
思春期、今まとめてきてるようなもんだからな。マジ彼女欲しいわ。
無事こちらの世界での成人も迎え、自身の勇者見極めの儀も父様に執り行って貰った。
「レイたんが成人だなんて...。
凄いよー、嬉しいよー、感慨深いよー!
立派に育ってくれてありがとう!
なんて親孝行な子なんだろう~うう~っ!」
父様は父様だった。号泣での儀式だった。
学習院時代からの同級生達、ナールやカロリーナちゃん達も一緒に成人なので恥ずかしい事この上なかったが、
「神父先生だから、大泣きするだろうなと思ってたよ、みんな」
と微笑ましく見ていたようだ(ナール談)。
恥ずかしいけど、本当大事にして貰ってるよなー、と嬉しくもあり、
「わかる!わかるよ!神父様!」
と保護者同士で盛り上がっていた、というか保護者の皆様も父様につられたのかみんな泣いていたので、自分だけが恥ずかしがる必要がなくなった。
やったぜ。
成人の儀である勇者見極めの儀だが、本来は本当に神様に、この者は勇者であるか、と問いかける儀式がはじまりであるらしい。
神話が元になっているそうだ。魔王を倒す為の勇者選び。
神の声を聞いた神父により、勇者が選ばれ世界を平和に導く、そんな神話だ。
今は、人生という荒波を越えていく全ての勇者達に幸あれ、という意味になっている。
俺は、今の意味にしていったこの世界が好きだ。
俺が生まれてから直接の大きな戦争を経験していないが、国同士のいざこざや、開戦もあるやも、そんな話は定期的に聞く。
魔物の被害も少なくない数であるようだ。
綺麗なだけの世界ではないけれど、成人の儀を終え、やっと1人前にカウントされたばかりの俺だけど。
気持ちも新たに、この世界を愛し今度こそ人生を全うしたいと強く思った。
「レイたーん、成人おめでとう!
希望してたパパのお仕事のお手伝い、さっそくお願いできるかな?
再来月、ナール君とカロリーナちゃんの結婚式担当するから!
助手、宜しくね~!」
ナールーーーーー!!???
聞いてないんですけどぉぉぉっ!!!
サプライズゥ!?アアアア!??
成人後、同年代達の結婚ラッシュ予定であると聞かされた俺は、さっさと王都の大教会に修行へ出た。
元から修行に出る予定ではあったのだが、めっちゃ早めた。
やってられっかぁぁぁ!!
ナールとカロリーナちゃんの結婚式には、友人として出た。
感動して泣いた。君ら2人ならこれからもっともっと幸せになれるよ...!
あやかりたい...!
勝手に王都行きを早めた為に、父様も泣いた。
ナール君とカロリーナちゃんの話で番外編も書きたいです。いつか。