13、神父も医者も嫁さんも。
医者として働く日々は、とても充実している。
毎日忙しいし大変だが、なんかこう、生きている実感がある。
世襲で神父ももちろんいいんだけど、まだまだ未熟ながら医者としてもやって行きたいなーなんて思ったりもした。こんな事言ったらまた父様が号泣しそうだけど。
「レイたん~!なあ~んでぇ~!」
って声が聞こえてきそうだ。
まぁー、アレだ。正直、神父の修行って最低限しくかしてないし。
主に王子達のせいで。
戻ってきてから父様の見習いはしているが、医者見習いとも半々だし。
でも父様のあと継ぐけどね。ずっと目標にしてたし。
この世界に神様がいるのは信じてる。
魔法はあるし、妖精はそこいらにいるし、王都の大教会には神の声を聞ける人もいた。
なんかこう、神聖な感じと言うか、教会の中に入って祈りを捧げると空気が違うんだよ。なんとも表現が難しいんだけど、やっぱり神は存在してると思う。
でも、前世が日本人だったからなのかも知れないが、どうにも目に見えない神様には、全面の信用をおけないと言うか。
この世界に神はいる、けど、近くで接するような存在ではなくて。
俺とかは都合のいい時にばかり神に祈ったりしてたけど、それもなんか違うなって。難しいんだけど。
レイモンドではなく岡崎玲は、とくに信仰する宗教もなくご先祖さまに手をあわせたり、葬儀は仏教で、程度の宗教感しか持たなかったからかな。
おじい様や父様のような祈りを捧げられるか、自信がない。
神の声が聞こえる人が神に仕えるのが一番なんだろうけど、とにかく少ない。
いても大教会とか、大きな街の教会。
だいたいの街や村には教会があるので、全然足りない。
なので俺みたいに、親が神父なんで息子も神父になりまーす、みたいな世襲神父もなりたつ訳だ。
信仰心薄めの神父で色んな方面に申し訳ないな...。
神よ、許したまえ...。
もう時期、神父の見習いも終えて、次の春の勇者選定の儀式は俺が行う事になる。
おじい様も父様も補助してくれるが、初めて自分主体で執り行う儀式だ。
うはー。緊急する。でも、テンションあがる。
自信とか本当に全然ないのに、ちょっとワクワクする。
祈りが足りなかったらどうしよう、とかも思うのに。
仕事って言っても見習いで神父も医者もしてるのに、この世界で正式に「神父」になるのがたまらなく気持ちが高ぶる。
やったー!って叫びたくなる。
神様ー!!
俺!もう!!
ブラック企業の、社畜じゃなーーーーい!!!
前世で会社務めしてる時は気づかなかったよ。
異世界に転生して16年。
もうすぐ17年。
見習いとして、新しい仕事始めて初めて気づけました。
やっぱりあの会社ブラックだった!
社風がそうだったからまわりが同じ環境でしょ?
働いてる間は、
「うちの会社もしやブラックなんじゃねw」
「でもどこもそんなもんw」
「このご時世、仕事ないより忙しくて寝る時間ないほうまだマシw」
って草生やしながら心のどこかで本気で思ってたよ。
こっわ。
どこもそんなもんとかって、俺、学生の時のバイト以外他で働いた事なかったから、社員の待遇なんて比べようもなかったのにな。
そもそも、毎日睡眠時間とれるかどうかの心配してる生活が、普通なわけない。
思い出しただけで血圧下がりそう。
離れてみないとわからないって洗脳かよ。
神父バンザーイ!
神様ありがとうー!
次の目標は結婚だな。
白紙の状態だな。
...なんでだ。
ちなみに、今度ナールがパパになるそうです。
アアアアアッ!!
おめでとうおめでとう!
歯ぎしりが!止まらないっ!
でもめちゃくちゃおめでとう!!
カロリーナちゃんは身体大事にして下さい!
もし女の子だったら、良かったら俺のお嫁さんにどうで...あ!やめて殴らないで!ナール!
この子は男の子でも女の子でも跡継ぎ?嫁になんぞ一生出さない?
産まれる前から、うちの父様みたいなってる。
親バカだ。
うう...、親バカになりたい...。
その前に嫁さん欲しい...。
その為には出会いが...。
うううう。
ナール達にあやかりたいいい。




