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昔と今の想い
「…う…ん…。」
僕は、一体…?
目を開けると、昔の姿のマリーとBlackとBloodが僕を覗き込んでいた。
「…マ…リー…?」
『カイト…!!』
泣きながら僕に抱きついたマリーは、さっきまでいた彩織ちゃんだった。
『彩織さんは、結月の為に…ヴァンパイアに…戻ったんだ…。』
Bloodが下を向きながら、そう言った。
「ごめん…。」
彩織ちゃんに申し訳なくて、僕は謝った。
僕を起こしてくれながら、彩織ちゃんはこう言った。
『私は、結月くんといられるなら…何にだってなるわ。さっき、マリーの頃だった記憶が戻って、改めてあなたの事を好きだと気付いたの…。』
「彩織ちゃん…。僕も、そうだよ。ヴァンパイアになっても、ずっと一緒にいたかったんだ。」
『これで、一緒にいられるわ。』
彩織ちゃんは、昔と変わらない笑顔で笑っていた。




