表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/60

僕達の前世①

僕が悩んでいると、そのヴァンパイアはこう言った。


『この女は、前世が…ヴァンパイアの女王…。生まれ変わって、人間になった…。』


「えっ…。」


彩織ちゃんが、ヴァンパイアの女王だった…?


『結月くん…。』


彩織ちゃんは、僕を見て名前を呼んだ。


「どうして、そんな事を言うんだ…?証拠なんて、何もないだろう…。」


きっと、このヴァンパイアは嘘を言っている…。


『証拠は、見せてやるよ。』


ヴァンパイアは、指を空へ向かって鳴らした。

その後、僕の頭の中に“何か”が流れ込んできた。


『マリー、好きだよ。』


『カイト、私も…好き。』


若い男女が2人で、幸せそうに笑っている。

その女の子は、金色の髪に赤い目をしていて、どこか彩織ちゃんに似ていた。

一方、男の子は茶色の髪に黒い目をしていた。


その後は、何故か街は荒れていて人間が争っていた。


『人間とヴァンパイアは、共存出来ない!!』


人間同士で争っていたのではなく、人間とヴァンパイアが争っていた。


『マリー、僕はキミを守るよ。』


『駄目よ!!私がヴァンパイアじゃなかったら…カイトといられたのに…。』


2人で、誰もいない場所で話していた。


『殺してやる!!』


どこからか声が聞こえて、見ると男の子が殺されそうになっている。


『やめてー!!』


女の子は、男の子を庇って刺されてしまった。


「はっ…はっ…。」


また、上手く息が出来ない。

だけど、今は倒れる訳にはいかない。

それに、この次の言葉を僕は知っている。

この次の言葉は、きっと…“生まれ変わったら、人間になりたい。また、会おうね。”だったはず…。


『カイト、生まれ変わったら…人間になるから…待ってて…。その…時、また会おう…ね…。』


『マリー!!』


死んでしまったマリーを抱きしめながら、僕は泣いていた。

その後、僕は落ちていたナイフで自分を刺して…死んだ…。


「マリー…。」


『やっと、思い出したか…。』


そのヴァンパイアは、ニヤリと笑っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ