僕とBlack
Blackが人間に変身するというので、僕も準備をする事にした。
「じゃ、僕は準備してくるよ。」
『うん。あっ、服を貸して?
この間、あの子に会ってるから、別の方が良いかな…と思うんだ。』
「そっか。この間、彩織ちゃんに僕の事を教えてくれたって、言ってたもんね。ありがとう。」
『ううん。すごく心配してたよ。』
「教室のドアをいきなり開けてきたから…知ってる。」
この間の事を思い出しながら、僕はそう言った。
『服をちょうだいよー。』
「あっ、ごめん。」
急いでクローゼットを開けて、どれにしようか悩んだ。
『僕、これが良いな。』
Blackがそう言ったのは、紺色のパーカートレーナーとジーンズだった。
「良いよ。Blackって、センス良いな。」
『そうかな…。早く着替えなくちゃ!!」
「あっ、そうだった。僕も、準備してくるよ。」
洗面所へ向かって、顔を洗ったり歯を磨いたりした。
「Black、終わった?」
声をかけながら、部屋に戻った僕は驚いた。
今、立っているのはあのBlackなのか…と疑う程身長が高くなっていた。
『あっ、結月。これ、ちょうど良かったよ。』
「うん。彩織ちゃんが言っていた通りだ…。」
『何て言ってたの?』
「背が高くて、髪は黒で、赤い目をした可愛い男の子って言ってた。」
『へぇー。何だか、嬉しいな。だけど、格好良いって言って欲しいかも。』
男の人は、可愛いと言われるのは嫌だと、よく聞くなぁ…。
そんな事を思いながら、僕も着替えた。
「Black、行くよ。」
『うん。』
僕達2人は、急いで彩織ちゃんがいる星空公園へ向かった。




