Blackの夢②
「どうして、Blackのせいなの…?」
『眠ったら、あの場面がいつも再現されるんだ…。今日は、隣にいた結月に感染しちゃったみたい…。』
「あのヴァンパイア達は、酷いよ…。」
『うん…。だけど、復讐はしないと決めてるから…。生きている間は、付き合っていくしかない…。』
「そんな…。Blackは、辛いでしょ…?」
『うん…。もしかしたら、リンちゃんが生まれ変わるかもしれない…。そう思う事で、何とか頑張れる…。』
僕より、大人でしっかりしているBlackを見ると、僕も頑張らないと…と思った。
「Black、僕も頑張るよ。」と返事をしたら、着信が鳴った。
「もしもし…?」
『結月くん?彩織だよ。』
「彩織ちゃん。昨日は、ごめんね…。」
『大丈夫だよ。今から会える…?』
隣にいるBlackをちらっと見て、僕は頷いた。
「うん…。」
本当は、彩織ちゃんに会ったらいけないのかもしれない。
だけど、会いたい…。
『じゃ、星空公園で待ってるね。』
「分かった。また、後で…。」
電話が終わると、Blackが『あの女の子?』と聞いてきた。
「うん。今から、会う事になったんだ…。」
『じゃ、僕も一緒に良い?』と目をキラキラさせて、聞いてくるBlack。
「うん。だけど、何て紹介しよう…?」
『Bloodの親戚って言ったらどうかな?』
「そうだね。」
『さてと、人間になろうっと。』
そう言って、Blackは人間になる準備を始めた。




