Blackの夢①
『リンちゃんの好きそうなお花…。』
僕ではない誰かが、花畑に座っている。
そこにいるのは、真っ白なうさぎ。
何故か、うさぎが話す言葉が分かった。
「Black…?」
隣にいたはずのBlackを探しながら、そう呼びかけた。
『キャー!!』
『助け…て…。』
どこかから人の悲鳴が聞こえた。
『あっ、リンちゃん!!』
うさぎは、手に持っていた花を投げてどこかへ走り去った。
「待ってよ…。」
僕も、慌てて後を追いかけた。
うさぎが走っていったのは、木がたくさんある場所。
『やめて…。』
『人間の血は、上手いな…。』と何人かで人を殺していた。
『やめろ!!』
うさぎは、その人に飛びかかり…小さな女の子を助けようとしていた。
『何だ、このうさぎは…?』
『お前も、殺してやるよ…!!』と噛みつかれたうさぎは、『リ…ンちゃ…ん…』と言いながら、目を閉じた。
その後、血を飲まれて、投げられてしまった。
「はっ…はっ…。」
発作なのか、息が上手く出来ない。
僕は、意識を失った。
『結月!!』
僕を呼ぶ声が聞こえる。
「う…ん…。」
『良かったぁ…。うなされてたよ…。悪い夢でも見た…?』
Blackを抱っこしながら、僕は泣いた。
『どうしたの…?』
「Blackが言っていた“村人殺人事件”の夢を見てた…。」
『あっ、僕のせいだ…。ごめんね…。』
泣きそうな顔をしながら、謝ってきたBlack。
どうして、Blackが謝るのか…不思議だった。




