41/60
僕の家①
Blackと一緒に、暗い夜道を歩いていた僕は、ため息をついた。
「はぁ…。」
『結月、さっきの事気にしてるでしょ…?』
「うん…。だって、血を飲んでしまったんだ…。ただでさえ、発作がいつ来るか分からないのに…。」
いつ、彩織ちゃんを襲ってしまうか…怖くて仕方ない…。
『そんな時は、僕の血をあげるよ。』
Blackは、えっへんと言う風にそう言った。
「そんな…駄目だよ…。」
『明日、Bloodに相談してみるから大丈夫だよ。』
「…うん…。あっ、ここが僕の家だよ。」
『へぇ、ここに住んでるんだ。結月の部屋は、どこ?』
「僕は、605号室だよ。静かにね…。」
階段をそーっと昇りながら、Blackに言った。
『うん…。』
Blackも、そーっと歩いてきている。
こうして見ると、まるでぬいぐるみみたいだな…と思う。
僕の部屋の前に着き、鍵を差し込んで開けた時…誰かの気配は分からなかった。




