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不安
僕を乗せたBloodは、僕の家の前に着いてこう言った。
『結月、すまない…。』
「どうして謝るの…?僕は、平気だよ。
Bloodこそ、今日は休んで…。」
大切な人を亡くしたばかりのBloodは、休んだ方が良いと思う。
『ありがとう…。じゃ、俺は帰るよ…。』
「うん…。あれ、Blackは?」
『先に、帰ったみたいだ…。またな…。』
「うん…。」
Bloodは、今来た道を歩きながら溜め息をついていた。
Blood、大丈夫かな…。
そう思いながら、僕は家の中へ入った。
夜ごはんを食べようと思ったけど、食欲がなくて、やめた。
ダイニングテーブルの上に、頭を乗せた。
そんな時、頭に浮かぶのは、彩織ちゃんの事。
もし、僕より先に彩織ちゃんがいなくなりそうになったら…どうしよう…。
そんなの嫌だ…と考えていたら、不安になった。
今から、彩織ちゃんの家へ行こう。
彩織ちゃんに見つからないように、変装でもして行こう…。
この時、僕が彩織ちゃんの家へ行かなかったら…大変な事になる事など…今の僕は知らない。




