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大切な人を…①
「Blood、シャーロットさんが…!!」
シャーロットさんは、たくさんの血を吐いていた。
『結月は、見るな…!!』
見るな…と言われても、もう見てしまった。
だけど、さっきまでのように血を飲みたい想いは、不思議となかった。
「Blood、大丈夫だよ。窓を開けなくちゃ!!」
そう言って僕は、窓ガラスを足で蹴った。
ガッシャーンという音が聞こえ、僕とBloodは急いで部屋の中へ入った。
『シャーロット!!』
『ア…ダム…?』
Bloodに抱きかかえられたシャーロットさんは、荒い息をしている。
『ハァ…ハァ…やっ…と…来て…くれた…。』
『シャーロット、ごめんな…。』
『生まれ…変わったら…ずっと…いよ…。』
シャーロットさんは、途中で言葉がきれた。
『ア…ダム…。』
そう言って、目を閉じた。
『シャーロット!!』
僕は、ただ見ている事しか出来なかった。
だから、部屋の外に出ていよう…と思った。
『結月…、ここにいてくれ。お前に、見せたいものがある…。』
「う…うん…。」
見せたいものとは、一体何だろうか…僕はそう考えていた。




