Bloodの過去⑥
「2年前のいつ…?」
もしかしたら、僕が知っている事件かも…と思い、そう聞いてみた。
『7月23日の暑い夜。殺人事件が起こったらしい…。俺は、シャーロットの事が心配だった。』
「もしかして、それって…強盗目的の?」
『そう…。シャーロットの家の近くで、犯人が来ないか見張っていた…。』
あの事件を聞いた時、僕は彩織ちゃんが心配で…ずっと一緒にいた。事件の場所は、離れていたけど…犯人がいつ来るのか…怖かったのを覚えている。
「あの事件は、酷かったよね…。殺された家族は、何かのお祝いをしている最中だった…ってニュースで言っていた。だけど、Bloodと何か関係があるの…?」
シャーロットさんの家を見張る理由は、分かるけど…。
『俺は、あの殺人犯を…殺した…。』
「えっ…?」
今の聞き間違えじゃないよね…。
Bloodが、殺した…?
『あの事件の1ヶ月後…犯人が急死したのを…知っているか…?』
「うん…。」
『急死したのは、俺のせいだ…。』
「だけど、どうして…?」
Bloodは、ヴァンパイア達でさえ殺さなかったのに…どうしてその犯人は殺したのだろう…。
Bloodは、シャーロットさんを見ながら…泣きそうな顔をしていた。




