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Bloodの過去④
『俺は、シャーロットを襲おうとした…。』
Bloodの言葉は、僕にとって衝撃的だった。
「えっ…。」
『気を失った俺を、シャーロットはずっと看病してくれていた。目を覚ました俺は、いきなり“血”を飲みたくなったんだ。』
「もしかして、寝ている間に…。」
『そうだと思う。寝ている間に、ヴァンパイア化が進んでいた…。』
「シャーロットさんは…?」
大切な人がいきなり襲ってきたら、ショックだろう…。
『シャーロットは、気付いていない。俺が、もたれかかったと思っているはずなんだ。だけど、俺は…怖かった…。』
シャーロットさんをいつ傷付けてしまうか…これまでずっとBloodは怯えていたんだと思うと…悲しい。
「僕も、彩織ちゃんを傷付けてしまうのかな…。」
『そうならない為に、俺がいるんだろ…。』とBloodは少し微笑んで僕を見てきた。




