Bloodの過去③
「シャーロットさんは、何て言ってたの…?」
『“許せない…。だけど、私は…そんな人達と一緒になりたくない”…と言っていた。シャーロットは、恨んではいたんだろうけど…復讐をしようとは、しなかったんだ。』
「そっか…。」
BloodがBlackに言った言葉は、シャーロットさんの言葉だったんだ…とここで分かった。
Blackは、そのお陰で“あいつら”とは同じにならなかった。
『ゴホッ…ゴホッ…』
さっきから、咳をしているシャーロットさん。
そういえば、Bloodは俺のせいで病気になった…と言っていたけど…。
『それからの俺達は、平和な日常を送っていた。だけど、あの日、それは…壊された。』
「あの日って…?」
『シャーロットのご両親のお墓参りだ…。あの時、ヴァンパイアが現れた…。』
「そのヴァンパイアは…。」
『シャーロットのご両親とBlackの大切な人を殺した“あいつら”だ。俺は、その時…ヴァンパイアとは気付いていなかった…。
相手は、ナイフを持っていて、シャーロットを襲おうとした…。』
Bloodは、そう言って苦しそうな顔をしていた。
『俺は、無我夢中で相手のナイフを奪い、威嚇した…。だけど、敵は1人じゃなかった…。』
「Bloodの後ろに、隠れてたの…?」
『そうだ…。俺は、背後から襲われた…。首の辺りを噛まれてしまった…。だけど、シャーロットの事は…離さなかった…。』
Bloodも、僕のように大変だったんだな…と思うと、何だか悲しい…。
それに、敵が2人もいるなんて…。
『俺は、ナイフを目の前の敵に投げた。それが、ちょうど…腕をかすったみたいで…逃げて行ったよ…。』
「Blood、大変だったんだな…。シャーロットさんは、大丈夫だったの…?」
『大丈夫だった。急いで、俺の応急処置をしてくれた。それを見ていた俺は、安心したのか…気を失ってしまった…。その後から、俺は…おかしくなっていった。』
「おかしくなった…?」
一体、何が起こったのだろう…。
Blackのように、色が変わった訳ではないし何だろう…とBloodの顔を見ながら考えていた。




