Blackの話④
その後、休憩をした僕達は話を再開した。
『それで、さっきの続きなんだけど…。』
「Bloodとの出会いだよね。」
『うん。Bloodに出会ったのは、復讐をしようとしていた時なんだ…。』
「じゃあ、ヴァンパイアはいたの…?」
Blackは、そのヴァンパイア達を見つけた時…どう思ったのだろう…。
『うん。僕は、あれから修行していたから…覚悟は出来ていたんだ。』
「修行って…?」
『人間になれるようにしたり、相手を殺せるように練習したんだ…。』
その頃のBlackの想いは、憎しみだけになっていたんだ…と思うと、胸が痛んだ。
「辛かったね…。」と小さなBlackを抱き締めてあげたら、『結月…。』と言っていた。
『そのヴァンパイア達は、別の街にいて…普通通り暮らしていた。僕は、飛びかかって噛みつこうとしていたのに…Bloodが僕を抱えたんだ…。』
「Bloodは、何て言ったの…?」
『何があったのかは、知らないが…憎しみは悲しいものだ…って言ったんだ。』
Bloodは、Blackの想いを察知したんだろう…。
Blackが復讐しても、悲しさが残ると言いたかったのかな…。
「そっかぁ…。僕も、噛んだヴァンパイアを恨んでいたからなぁ…。」
『復讐をしたら、自分も同じになるから駄目…とも言っていたよ。』
「僕も、復讐はしないようにする…。」
『それから、僕達はずっと一緒なんだ。これで、僕の過去は終わり…。』
「Black、ありがとう。悲しい事を思い出させて、ごめんね…。」
『大丈夫だよ。あと、Bloodは人間だったんだよ。』
「えっ…!?」
人間っぽいとは思っていたけど、まさか本当に人間だったなんて…。
『えっ、知らなかったんだ…。Bloodも大切な人を守ろうとして、ヴァンパイアに噛まれたんだって…。』
「そうだったんだ…。」
さっき、Blackが言っていたBloodの言葉は自分に言っていたのかな…と思った。
『そろそろ、Bloodが戻ってくるかも…。お話は、終わり。』
「う…うん。」
僕は、戸惑ったまま返事をするだけで…精一杯だった。




