表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/60

星空公園で…②

空を眺めていたら、5分もしない内に声が聞こえた。


“分かった…。”


その声は、どこか沈んだように聞こえた。

何かあったのだろうか…と考えていたら、公園の入口に紺色のTシャツにジーンズを着た男が立っていた。


あの人、何だろう…?

僕の方に向かって歩いてきているような気がする…。

いざとなったら、戦うしかないな…と気合いを入れた。


『結月、俺だ。』


俺だ…なんて、いきなり言われても分かる訳ないじゃん…。

オレオレ詐欺じゃないんだし…、ちゃんと名前を言えよ。


「誰だよ…?」


『そんなに警戒するなよ。この間話した、Bloodだ。』


えっ…。

この間と全然格好が違うから…分からなかった…。

この間は、黒いマントを羽織っていたし、目だって赤かった。

それが、今では普通の人と同じ服で…目だって黒い。


「その格好、どうしたんだよ…?」


『普段は、こんな格好だ。目には、カラーコンタクトレンズを入れている。

この間は、話し合いだったから…正装で行った。』


「へぇー。」


Bloodは、謎がたくさんあるなぁ…。

明らかに、人間ではないのに…人間っぽい…。

それに、今僕が思っている事全てに答えてくれた…。


『それで、どうしたんだ…?何かあったんだろ…。』


「実は…、さっき彩織ちゃんを傷付けたいと思ったんだ…。せっかくの、ピアノコンクールだったのに…。」


『そうか…。今日は、ピアノコンクールだったのか…。』


そう呟いたBloodを見ると、悲しそうな顔をしていた。


「Blood…?」


『あっ、何でもない…。たぶん、それは“発作”だと思う。』


「発作…?」


『結月は、まだ血を飲んでいない。だから、血を飲みたくなる衝動がやってくるんだ…。』


「そうだったのか…。発作は、止められないの…?」


『難しい質問だな…。結月の場合は、まだ理性も保てているし、止めてくれる子がいる…。

だけど、いつかは我慢出来なくなるかもしれない…。』


「そんな…。」


まだ僕は、何にもしていないのに…。

学校だって、バイトだって、夢もまだ叶っていないのに…。

それに、大切な彩織ちゃん…。


そんな事を思っていたら、Bloodがこう言った。


『一つ、良い案がある…。』


「何…?」


『俺が、お前と一緒にいる事だ…。

明日、お前の学校に編入する。』


いきなり何を言い出すのかと思えば、学校に編入する…?


「えっ!?ちょっと、待てよ…。皆に、何て説明するんだよ…。」


『大丈夫だ。』と自信満々な表情をするBlood。

僕には、不安しかなかった…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ