第六話
大分かかりました。申し訳ありません。
ーーーーー五島丸ーーーーー
「船長、罹患者の収容完了致しました。」
「ご苦労、で容態の方はどうだ?」
「数人危篤な状態でしたが、今は安定しております。後は投薬治療で大丈夫そうです、今は疲れて眠っています。」
佐世保から21ノットという高速で該当海域に向かっていた五島丸は海保船の松と会合することに成功した。その為今は佐世保に引き返している所である。
「よろしい、船内の人員に罹患の恐れは無いんだな?」
「はい、我々は問題ありません。しかし彼等は予防接種を受けてはいないのでしょうか?受けてさえいればあそこまで重症になることも無いはずなのですが。」
「さてな、この世界の技術の基準はどうなのか分からんからな。松の連絡では多分中世あたりらしいが、詳しく罹患者に聞いてみないことには何とも言えんな。」
副船長が渋い顔をしながら唸る。
「ということは情報待ちですか、しかし欧米のような状態か江戸のような状態かで全く異なりますな。」
「同感だ。」
とりあえず彼等はどうにかなったが彼等の国が心配だ、天然痘は疫病であり死病だ。早めに措置をしないと都市が壊滅する例も存在する。早めに意識が回復して詳しい事を教えてくれるのを願うばかりだった。