第五話
ーーーーー皇居ーーーーー
「陛下、失礼いたします。」
「何ぞあったか?」
首相を勤めている東条英機が入ってくる(退役済み)、天皇家に対する忠誠は疑う余地がないのでまだ任せているのだ(憲兵隊は大幅に人員削減され軍の治安を維持している。)。
「はい、海上保安庁からの報告で不審船を発見したとの事です。」
「お前が私に話をもってくるということは何かおかしい点でもあったか?」
「御意、明らかにおかしいのです。」
「ほう?」
この男がおかしいと言うことは余程おかしいのであろう。
「不審船の形状が帆船なのはまだ理解が出来るのです、ですが船内にいた者達の状態がおかしいのです。」
「人ではないか?」
「違いまする、人では御座いまするが伝染病を罹患しておりまする。軍医の見地では天然痘かと。」
「何!!」
それは穏やかではない、今国内では発病率が著しく低下出来ているのだ。(完全に撲滅するまでは時間がかかるので予防接種により発病率を下げている。)
「海軍から病院船を派遣せよ、後不審船からは可能な限り運び出せる物は運び出し消毒させるのだ。無理な物は焼却せよ。」
「かしこまりました。すぐに治療にかからせます。」
「治療が終わり次第情報の収集を開始させるように、我々が助けたと判れば色々と情報をくれるだろう。」
「友好関係が結べるように務めます。」
そう言い退室する東条を見送る。
「最初の接触がこれとは、戦いがあるかと思っていたが平和な接触も悪くない物だな。」
佐世保鎮守府に命令が飛び病院船五島丸(氷川丸の設計図を用いて建造された正式な海軍艦艇)に護衛の駆逐戦隊(軽巡1隻駆逐艦4隻)がつき件の海域に急いだ。