和解
本日の更新です、今日はこれだけかなぁ、1日1話いけそうな感じかも?
いろいろおかしい部分は呪文ご都合主義でうやむやに!
聖女様ねぇ?とアルメリアはなかなか良い性格をしていると、この短い時間でも確信しつつある俺は、先ほどとは違う意味でアルメリアをじろじろと見つめていた。
視線を感じたのか、アルメリアがなぜか慌てて弁解のようなことをしてきた。
「いえ、その、違うんですよ?私は特別なことをしたわけではないですし、私はその、分不相応な呼び名だと思っていますし・・・!」
「何をおっしゃいます!お嬢様のそのお優しい心と力にて、怪我や病を癒された人々がどれほどの感謝の念を抱いているか!領民の声が物語っております!それこそ幼少のころから・・・」
とまたも横から口をだし、いかにアルメリアがすばらしい人物かを語るロザリンドに、もはやアルメリアは恥ずかしいを通り越して困惑しているようだ。
「まぁ、アルメリアがすごいのはわかったよ、で、気になることがあるんだが、また質問しても構わないか?」
「ええ、私にわかることであれば・・・」
もう、ロザリンドは自分の世界に入りつつあるので無視する方向でいいらしく、アルメリアが返事をする。
「何点かあるから順番にな・・・まずは治癒魔法とやらで怪我はわかるが病気も治るのか?」
「そうですね、コウさんは迷い人・・・こちらの事情に疎いでしょうから説明いたします。まず怪我を治す魔法はヒーリング系といわれます。そのまま回復という意味で間違っていません」
「なるほどな、そこはまぁなんとなくわかる」
「そうですか・・・次に病の類ですが、一部を除き魔を払うという破魔系の魔法で浄化することができます。これらはお祈りに近いですね・・・日々のお祈りとは違うのが魔力を使い、魔に対して有効な聖の属性を持たせ祈る…といった感じでしょうか?」
「ほう、確かに病は病魔・・・ともいうからな、一部というのが気になるが、まぁここらはおいおいでいいだろう、次は、聖女ともいわれるアルメリアがなぜ上級ポーションの材料を必要としていたかだ」
この質問にアルメリアは少しだけ影のある表情を見せたが、
「はい・・・それが、私の治癒魔法では浄化できない病にかかった人がいまして・・・」
「上級ポーションというと、怪我を治すか体力回復、といった効果のように思えるが・・・?」
「上級ポーションに私の浄化の祈りを捧げればさらにランクの高いポーションとなります」
「なるほど・・・、上級ポーションにさらに効果が上乗せされるのか・・・そんなこともできるんだな」
こちらの世界ではアイテムに特定の魔法をかけると効果が上昇するようだ。
これはぜひ覚えておかねばな・・・内心使える情報の整理をしていると、
「あの・・・申し訳ありませんが、できる限り早く戻りたいのですが・・・」
おずおずと本当に申し訳なさそうに話すアルメリアに、
「そうだな、話を聞く限り急いだ方がいい患者がいるんだろう、俺はかまわないぞ」
「あ、ありがとうございます!」
「そうと決まればさっさと戻るとしようか、ああ、あいつも起こさねばな・・・ロザリンドのほうはアルメリアに任せるぞ?」
「う・・・はい・・・」
いまだにドヤ顔でいかにアルメリアが素晴らしいかを語り続けるロザリンドはアルメリアに任せ、俺はすっかり放置されていたアレックスとやらを起こしに行く。
「・・・」
「実は寝たふりとかじゃないよな?」
と今まで一向に目を覚まさないアレックスに俺は状態を起こさせて、背中から・・・
「破っ!」
「がっ!?」
と、とどめ・・・違った「活」を入れてやる。
普通に叩いて起こせばいいのだが、これならすぐ起きるしな。
「な・・・げほっ・・・何が起きた・・・はっ!?お嬢様!?お嬢様が危ない!?」
「安心しろ、お嬢様は無事だ」
目を覚ましたアレックスに俺は声をかける・・・なんだか起こさないほうが良かったかもしれんと今更ながら思う。
「貴様ぁ!よくもやってくれたな!俺が気絶してるのをいいことに、お嬢様やロザリンドに手を出していないだろうな!?」
・・・こいつは実はかなりのむっつりなんじゃないだろうか・・・と唖然としている俺を無視し、
「お嬢様!ロザリンド!無事か!」
などとまるで助けたかのようなことをのたまいながら二人のほうに駆け寄っていった。
「いわゆる自分を中心に生きているタイプだなあれは・・・あんなのがアルメリアの護衛でいいのかね?」
内心領主の方策やら何やらが気になってきたが、その疑問をとりあえず心の奥に鎮め、3人に近づく。
近づく俺の気配に気づいたか、アレックスがこちらを振り向き、
「はっ!?貴様!それ以上近づくな!」
やっぱり起こさないほうがよかったな・・・うざい・・・うざすぎる!
「おい、アルメリアにロザリンド、そいつをさっさと説得してくれ」
アレックスの言葉を無視し、女性陣二人に声をかける
「あ、はい!」
「貴様に名前を呼びすてにされる筋合いはないが・・・お嬢様の恩人らしいからな・・・」
素直に返事をするアルメリアとぶつぶつ言いながらも了承するロザリンドに
「なっ!?なぜあんな奴のいうことを!?貴様ぁ!やはり俺が気絶してる間に二人を手籠めにしたのか!」
若いくせにずいぶん古臭い言いかただが、まぁこの世界はあっちより文明が遅れてるようだしな・・・って待てよ?今更だけど言葉が分かるのはなんでだろうな・・・向こうが俺のもと居た世界の言葉を話しているように聞こえるが・・・口の動きが少々違う気もする・・・変換されているのか?おそらくは自称神のあのガキの仕業なんだろうが・・・助かっているし気にすることもないか・・・ちなみに手籠めっていうのは女性を無理やりあんなことやこんなことをすることだ。やはりあいつはかなりのむっつり確定だな。
「手籠め・・・とは何でしょう?」
「さて・・・私もわかりませんが・・・おい、アレックス説明しろ!」
なにやら女性陣は初心なのか言葉の意味が分からないようだ・・・アレックスに対して説明を求めているが、アレックスがうろたえだした・・・面白そうなので見てるか?
「は?え、あ、いえ、その・・・」
アレックスは混乱している!
「おい、そんなことより急ぐんじゃないのか?」
「あ、そうでした・・・素材は採取しましたし、二人とも、うちに戻りましょう」
「はい、お嬢様!」
「・・・はい・・・」
なにやらアレックスが気まずそうにしているがそんなことは気にせずにさっさと戻ろうと俺とアルメリアは川を伝って下流に向かっていく。
「おい、貴様。お嬢様をどこに連れていく気だ!」
なぜかロザリンドが再度俺に鋭い目つきでにらんでくる。
「どこって・・・来た方に戻るんだが・・・?」
「なっ!?貴様は馬鹿か!?「名もなき森」は魔獣の巣窟だぞ!命がいくつあっても足りん!」
・・・は?俺とアルメリアは森から来たし・・・山賊もいたよな?とおもいアルメリアのほうを見るが、何やら首をぶんぶん横に振っている・・・違うというよりは・・・知らなかったのか。
「俺とアルメリアは森の川から上流に向かってここに来たんだが・・・」
「ますます愚かだな貴様は!わが領内の騎士団長であるアーネスト様によれば、名もなき森の川は特に強い魔獣が集まるとおっしゃっていた!森の素材を集めるときは騎士団で最低でも小隊を組んで行くほどだぞ!一人二人で行くなど自殺行為だ!!」
「・・・おい、愚かっていわれてるぞ、聖女様?」
「・・・知らなかったんです・・・」
どれだけ焦っていたのか・・・よく無事・・・いや、山賊につかまってたし無事ではなかったが・・・あの山賊は何だったんだ?ちょっと確認のために聞いてみるか。
「おい、森に山賊がいたがどういうことだ?なんかゴリラ・・・あーこっちにゴリラいるのか?まぁごっついボスっぽいのに4人に手下と大したことはなかったが」
「なに?名もなき森に山賊がいるなど聞いたこともないな・・・確かなのか?」
「まぁ、俺が全部殺したが・・・アルメリアを捕えていたし、アルメリアも証人になるな」
「う・・・はい、あの事はあまり思い出したくありませんが、確かにいました」
つかまっていた時のことを思い出したのだろう、少し顔が青ざめていたが、俺が軽く肩をたたいてやるとこちらを向いたので笑いかけてやると、何やら顔を赤くしたが・・・大丈夫かね?
「お嬢様が言うのならそうなのだろうが・・・まぁいい、こっちに森を通らずに来る道がある、こちらなら特に魔獣にも会わずに済むだろう」
そういって最初に二人がいた岩場の向こう側についていくと確かに開けており、かつ下り坂の道がしっかりとできている、さらに言えばおそらくリュトの街だろうものまではっきり見える。
俺はちらっとアルメリアを見ると今度こそ顔を真っ赤にしてうつむいている・・・
「確かに森から川を伝えば間違いはないですが、そんなことは自殺行為ですからね。我々が安全な道を調べているうちに、お嬢様がいなくなったから心配しました」
さらに縮こまるアルメリア、どうやら反対されたのはこの岩場へ安全な道をの探すための時間がほしかったからであって、決して素材を集めるのを反対されたわけではなさそうだ。
それをアルメリアは早合点したのか護衛を撒いて一人森に強行、山賊につかまっていたということか。
しかしアルメリアはよく魔獣に会わなかったな・・・俺もウサギ1匹だったけど。
余談だが、のちにそのウサギが実は森で一番危険なモンスターだと知る事になる・・・
「さぁ、お嬢様帰りましょう!」
ロザリンド先導で岩場を下っていく。
そして俺はとうとう異世界に来て初めての町に足を踏み入れることになる。
いかがでしたでしょうか? 活とかいろいろ素人知識なのでキニシナイでくれると…
また、次回で町に入り、魔法の扱いを詳しくまなんだ主人公が強くなる感じかな?あ、次のつぎかも・・・そんな感じです、では、またー