赤い薔薇に誘われた、哀れな蜂たち
「ここどこ?」結月が平田に聞く。
「ん?ここは邪悪森だってよ。完全に厨二病だな。ってか入口でパンフレットくれるとかこの世界本当に危険なのか?」
「入口で『いらっしゃいませ』って言われたよね。」
ある程度進むと目の前に看板が見えてきた。
「あれ、看板じゃねぇか?何かヒントか何か書いてあるかも!」
走り出す3人。看板の前に来て読む。
「なになに?『足元が十分滑るのでお気をつけください』だって。」
「完全に冬場のデパートじゃねぇか………」
「まぁいいや行こうぜ。」
少し進んで3人はその意味を鮮明に知らされることとなる。
「待て!陸大!危ない!ここから先、ここには書いてないけどパンフレットに氷結死谷って場所だ、ゆっくり進まないと落ちて死ぬぞ!」
幅約1mの崖を物凄くスローで渡っていく。なにせ俺らは皆の命を背負ってここに居る。全てを無駄にする位なら中川を助けて現実に戻る。
氷結死谷を抜けた頃には3人は疲れきっていた。
「今日はここで休もうか。」
「そうしようか。」
3人は泥のように眠った。
中川side
「兄様!谷が攻略されました。放っておいてもいいですか?はい。わかりました。」
『この3人なら行ける気がする』そう心で呟いた。