黒き雲は、稀に恵みの雨を降らせる
『くそぉ…もっと皆と話しておけばよかった、まだ死にたくないのに……何でこんな事になった?いつ道を俺らは踏み外した?そん…な…の、知るかよって…な…』
「ハハハァ、コイツみたいになりたくなかったら俺の言う事を全て聞け。」
ざわつく教室。「もう、俺ら死ぬなら、いっそ…」「もう、言う事を聞くしか…」ネガティブな空気が狭いこの空間を支配しようとした時「ダメ…だ!しっかり自分の意思を持て!コイツは最終的にはお前ら…を殺す!」中川が生命を削りながら必死に訴えかける。
「黙れぇ!さっさと死ね!」
追加で4発の銃弾が中川の身体に打ち込まれた。
でも、中川のその言葉は明らかに教室内の空気を変えていた。
「私達はあなたの言うことは聞かない。全員殺されても構わない。」
この教室の副委員長の安藤結月が前に出た。
「クク…ハハハハハハハハハハハハハハ!」
「お前…何が面白い?」
野球部の平田涼介が半ギレで問いかける。
「お前達、中川を助けられるって言っても言う事を聞く気は無いか?」
「「!!!???」」
教室が凍りついた。非現実的なその言葉に誰もが戸惑いを隠せない。アニメでも漫画でもあるまいし、そんなこと…と思ったのは一瞬だけだった。
「どうやるの?教えて。」結月が口を開いた
「俺が作ったゲームをクリアするだけさぁ。ここの校長にはここの生徒を2、3人貸してくれって訊きにきただけなんだけどよ、あのジジィ断りやがったから殺してやったよ、ホント鬱陶しい奴だった。」
「早くゲームの説明をしろ。」
「ほう、ここの生徒は威勢がいいようだ。良いだろう、今からこの生徒の中から3人選んでもらう。その選んだ3人を仮想現実世界へ転送する、そこでの課題をクリアするだけだ。」
「やってやろうじゃないの!」
「でも注意点を話そう。選ばれた3人が向こうの世界で死んだらこっちの世界には絶対に帰ってこれない、そして、3人が向こうに行ってる間は残りの奴らは拘束しておく、3人とも向こうで死んでgame overになった瞬間残りの生徒たちと、中川は完全に死ぬ。でも3人の中で1人でも生き残ってクリアすれば全員復活してここに戻れる。どうする?やるか?」