崩れ去る日常、新しい日常
「誰だァ!」
気付かれた!全力で階段を駆け上る、教室へ戻りクラスメイトに状況を話す。
「皆!聞いてくれ!今この学校に銃を持った男がいる!早く逃げないと、死ぬぞ!」
しかし、誰一人動こうとしない。周りから「どうせ嘘だろ」「漫画じゃあるまいし」思わず下唇を噛む。
『糞っ!使えねぇ!』
「いや!これはホントなんだ!信じてくれ!早く逃げねぇとホントにあの男が来る!」
「ごちゃごちゃうるせぇよ!んな事あるわけねぇだろ!それ以上言ったら………」
刹那、教室の扉が勢い良く開いた。
「この教室で袋を持っているのはお前だけだからさっきのはお前か…聞かれたなら殺すしかないな。」
「キャァァァァァァアーーッッ!」
叫び出す女子達、唖然としている男子達を尻目に、ローブに身を包んだ男を睨みつける。
「ほう。威勢が良いな、お前、名は何と言う。」
「中川真之助だ。満足か?」
「まぁ聞いたところでこの相棒の餌食になるだけだから関係無いけどな。」
「そんなガラクタで俺を殺せるなどと思うな。皆俺の後ろから離れろ。」
「中川!お前誰を相手にしてるか分かってんのか!?お前本気で死ぬぞ!」
騒ぎを聞きつけ先生方も一斉に集まってくる。
「おっと、先生方動くなよ?動けばここの生徒は皆殺しだ。俺はこの中川とタイマンはるんだ、邪魔は困るなぁ。」
俺の、俺らの日常が崩れ落ちる瞬間だった。
そして、新たに始まっている赤き日常ーーーーー




