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反逆者、去る
「長老様、立派な占星術師になって必ず戻ってきます。しばしの別れ、辛いですがルシフェニアリテ王国で…」
「ベリアルガ、お行きなさい。長くいればいる程別れは辛くなるものです」
長老様は骨と皮だけの痩せ細った手で頭を撫でてくれた。
「これで見納めかのう…」
長老様の言葉に、涙が頬を伝う。
「そんなこと言わないでください。悲しいじゃないですか」
「すまんのう…。ベリアルガ、ルシフェニアリテ王国でも頑張って、お前なら立派な占星術師になれる」
僕は「はい」と返事をし、村を出た。
「もっと、元気出して。悲しい気持ちで勉強するのは嫌でしょ?」
僕一人ではなく、アリアも一緒だ。
「そうだよね。立派な占星術師になるんだ…、立派な占星術師になるぞ」
アリアは笑って「その調子よ」と言った。