観光する!
「本当にありがとねー!」
「私もありがとー。ムーンさんたちに恩返しができてよかったです!」
ルミはニコッと笑いながら見送ってくれた。
「いやいや、恩返しなんて大丈夫だよー。」
「いえ!これくらいで返せたとは思っていません。また、何かあったら声をかけてね。」
「うん!分かったよー。」
ムーンたちはもう一度、街を楽しんでから帰る事にした。
「アールド。どっか見たいとこある?」
「いや、どこでもいいですよー。」
「どこでもって言うのが一番困るのにー。」
何気ない会話して行きたい場所を考えながら、街中を歩き続けた。
「少し早い気もするけど、お昼ご飯とか行ってみる?」
「いいですね!行きましょう。」
「ここって何が有名なんだろうね。」
二人は辺りを見渡しながら、何が有名かを考え、観光を楽しんでいた。
「とりあえず、そこの酒屋に入ります?」
「ねぇアールド?そこって女の子のいるお店だよね?」
「え?そうなんですか?」
「そうだよ!せっかく私がいるのに…。」
ムーンはいつも見せない顔をわざと見せて、アールドをからかった。
「じゃあ、向こうの洋風の料理店に入ろうよ。」
「了解です。」
二人はオシャレで洋風な店に入った。
「うわぁ!美味しそうな匂いだねー。」
「そうですね。」
案内された席に座ると水が二人分置かれた。
「とりあえず、適当に頼みましょう。」
「じゃあ、このチーズっぽいのがかかってるピラフにしようよ。」
「そうですねー。」
タイミングよく店員が二人が座るテーブルの横を通り、呼び止めて注文をした。
「かしこまりました。」
「店員さんキレイだねー。」
「そうですね。」
注文した料理が来るまで、何気ない会話をして時間を潰した。
「あ。来たみたいだね。」
「ほんとだー!」
食欲をそそる匂いと、輝いているように見えるとろけたチーズが相まって、二人は食べ始めた。
「うわー。チーズやばー。」
「そうですねー。」
二人の手は止まらなかった。
「ぷはー!美味しかったー。」
「そろそろ帰ります?」
「そうだねー。」
ムーンがお金を払うと、二人は店を出ていった。
そしてムーンは飛んで帰ろうとした時だった。
「待ってー!」
「「ん?」」
二人は声のする方向を見た。
その方向からは背丈がアールドくらいの女の子が走ってきていた。
「はぁはぁ…。あなた…。うちの学園に入学しない?」
「学園?なにそれ?アールド知ってる?」
「確か、魔法とかを学ぶ学校だったと思います。」
「勉強はやだなー。」
この街の学園は魔法を使えない人でも知っている程の知名度があった。
そして、話しかけてきた女の子は、その学園の今年の特待生という事も分かった。
「あなたほどの実力なら、私が学園に言ってあなたを入学させてあげるわよ?」
「うーん。でも、学校に行くとか面倒くさそうだし…。」
「敷地内に寮があるわ。少し寝坊しても遅刻しないわよ?」
「二度寝しても?」
「それは分からないけど…。」
「けど、なんで私たちに話しかけてきたの?」
「路地裏であなたが女の子を助けている所を見かけたのよ。私の中では史上最高の魔力量を感じたわ。」
「へぇー。」
彼女は他の人よりも敏感に相手の魔力量を感じる事ができると言う。その能力の名は<極感魔眼―アルティメット・センス―>。
この世界の能力はベーシック・ノーマル・ベテラン・ハイセンス・世界最強・神話級の六段階に分けられている。しかし、神話級だけはスキルの存在が確認されていない事から、信じている人が少ない。
「…って事で、学園には私から話を通しておくわね。じゃあね!」
そう言って、彼女は走って行ってしまった。
「あ!待って…。」
「行っちゃいましたね。どうします?」
「森に帰ろう…。」
「はい。」
二人は逃げるように森にある拠点に帰っていった。




