東の街へ!
グツグツ
「…ん。いい匂い。」
「あ、おはようございます!」
「何か作ってるのー?」
「はい!朝ごはんを。」
魔獣の肉と木の実を一緒に焼いた料理が作られていて、とても美味しそうな匂いが漂っていた。
「キッチンはあるけど、火はないよね?それなのに、よく作れたね?」
「あー。それなら、ここの外で火を起こして焼いたんですよ!」
「なるほどねー。」
外では小石を集めた簡単なかまどが作られていて、その中で火が起こされていた。
「じゃあ、ご飯にしましょうよ!」
「そうだねー!」
それからムーンたちは食べ始め、とても美味しい朝ごはんとなった。
「…ふぅ。美味しかったー!」
「ありがとうございます!」
「じゃあ、今日は森を出て東の街に行こっか!」
ムーンは前に森を一人で探索していた時に、冒険者が言っていた東の街にはいつか行ってみたいと思っていた。
東の街には、大手の商会や店があるようだ。
「準備はできたー?」
「はい!いつでも行けますよ!」
「じゃ、出発!」
ムーンはアールドを抱え、魔力を爆発させて空を飛んで東の街へと向かった。
「相変わらず早いっすね。」
「空を飛んだ方が楽だからねー。」
ムーンたちは広大な森の上空を飛び続け、かなり進んだ。そして、東の街がだんだんと見えてきた。
「あ!あれかも!」
「ほんとですか?」
「うん!」
ムーンは笑顔で見えてきた街に指をさしてアールドに「見て!」とはしゃいでいた。
――パタッ
「ふぅ…。やっと着きましたね。」
「うん。着いたねー。」
地に足が着くと、ムーンは商店街の方に走り出した。
「あ!ちょっと待ってくださいよ!」
「早くしないと置いてっちゃうよー。」
――キャーッ!
街を歩いていると路地裏の方から叫び声が聞こえてきた。
「待ってください!」
「どした?アールド?」
「女の子の叫び声が!」
「ほんと?どこか分かる?」
「そっちです!」
ムーンはアールドが指をさした方に走っていった。
「おりゃ!」
――スパンッ!
三人くらいの男達が一人の女の子に乱暴をしている所を目にしたムーンは斬撃の闇魔法を男達の首目掛けて放った。
男達はピクリとも動かなくなり、ムーンは震えている女の子に声を掛けた。
「君、大丈夫だったー?」
「…。」
「アールド、この子担げる?」
「は、はい!」
「あ、あの…。怪我はしてないので…。」
「ダメだよ!君は可愛いから、ここで恩を売っておかないと!」
「は、はあ…。」
「あ!間違えた!違うよ?困って人を放っておけないって感じだから!」
そう言うと、アールドはムーンを見ながらため息をついた。
「あ、そうだ。君の名前は?」
おぶっている女の子にムーンは聞いた。
「私、ルミです。」
「そっかー。じゃあ、ルミの家ってどこ?」
「向こうの方です。」
ルミに家の方向を教えて貰いながら、ついでに街を楽しんだ。
串焼きやアクセサリー、魔道具など色々な店を楽むことができた。
「あ、着いたよー。ルミの家ここで合ってる?」
「ありがとうございます。あ、そういえば、二人のお名前は?」
「私がムーンで、隣にいる男の子がアールドだよー。私の弟子!」
「ムーンさん。今日はどうもありがとうございました!」
ムーンたちはルミを家に置いて、街の観光をする事にした。
「てか、今日の宿はどうする?」
「どうしましょうか。」
「やばくね?ちょっと、もう一回ルミのとこ行って、いい所教えて貰お!」
「そ、そうですね。」
そして、ルミの家にもう一度行って、いい宿が無いか聞く事にした――。
「うーん。そうですね…。」
「どこかある?」
「街の中央地区の方にはあるけど、少し高いんですよね。」
「そっか…。お金はかけたくないからなー。野宿にするかなー。」
「あ、でしたら、うちに泊まって行きます?」
「え!いいの?泊まる泊まるー!」
ムーンたちはルミの家に泊まる事になった。
「あらあら!ルミのお友達かしら?」
「あ、お母さん。この人たち、私が男の人に襲われてた時に助けてくれた人たちだよ。すごく強いよ。」
「そうなのねー。ありがとうね。じゃあ、ご飯にしましょー。」
「楽しみだねー!」
夕飯には、ルミのお母さん特製のシチューが出て、みんなで楽しく話しながら食べた。
「ふぅー!おいしかったー!」
「そうですねー。」
ムーンとアールドはルミの部屋で一緒に寝させてもらうことになった。
「けど、いいの?ルミの部屋で一緒に寝ちゃって。」
「いいですよ。私も一緒に寝たら楽しいと思いますし。」
「そっかー。」
「じゃあ、おやすみー。」
楽しく話をしている内に三人は眠りについた。




